大分市の東部地域を中心に、今年に入って特定外来生物のセアカゴケグモが相次いで確認されている。2015年以降、発見された30件のうち14件は今年4月からのもの。市は「東部地域に定着している可能性が高い。見つけたら踏みつぶすなど適切に対処してほしい」と呼びかけている。
セアカゴケグモは豪州原産。背中に赤い模様がある雌は毒を持ち、成熟した個体の体長は0・7~1センチほど。日当たりの良い場所の、地面や人工物のくぼみなどに巣を作る。かまれると筋肉まひなど重症化する恐れがあり、特定外来生物に指定されている。
市内では15年に同市中ノ洲の大分石油コンビナート内で雌1匹を初確認。今年9月5日までに30件を発見した。東部地域以外では碩田町、上戸次でも見つかっている。
大分市三佐の三佐小では昨年10月、過去最大の約100匹が見つかり、運動会を延期した。それ以降、教職員が月2回程度、敷地内の側溝の中や遊具の裏側などを点検。今年になって新たに4件を確認した。安部誠校長(56)は「子どもたちの安全のため、対策を尽くしたい」と話す。同小以外では市内角子原の大在西小でも見つかっており、市教委は運動会シーズンを前に、市内全小中・義務教育学校に注意喚起を促すチラシを配布した。
市環境対策課は「在来種を殺してしまう恐れがあるので防虫剤散布などの抜本的な対応が難しい。見つけたら素手で触らず、殺虫剤を直接振りかけるか、靴で踏みつぶしてほしい」と話している。
問い合わせは同課(097-537-5758)まで。