世界初の完全養殖ウナギを使った「かば焼き」の最初の店頭販売が行われた東京・築地のうなぎ料理店には29日、「世界初」の味を求める人たちが早朝から駆けつけた。一番乗りの大学院生は「歴史的なものを手にすることができた」と喜びの声。午前11時に始まったオンライン販売は開始2分で完売し、再開のめどが立たない人気ぶりだという。
ウナギの完全養殖は、親ウナギから採卵して成魚を育て、再び採卵して育てる点が、天然の稚魚を海で捕獲して育てる従来の養殖と異なる。この日の店頭販売は、水産庁などと開発に取り組む山田水産(大分県佐伯市)が築地の「山田のうなぎ うな骨らーめん 築地本店」で行った。
午前11時の販売開始に向け、7時すぎから列の先頭に並んだ東京都調布市の大学院生、山田翔太郎さん(23)は「報道を見て、ぜひ自分も食べてみたくなった。友人らと3人で分けるつもり」と笑顔を見せた。
用意された45尾は、1尾あたり税込み4500円。従来の養殖ウナギより高値で、普及には生産コストの引き下げが課題だ。山田水産の加藤尚武・養鰻事業統括部長は、初販売が「社会実装の第一歩」と表情を引き締めた。一方、味については「天然物とまったく遜色ない」と自信をみせ、「おいしいですよ。ぜひ食べにいらっしゃってください」と呼びかける。
今後は築地の店舗で7月中に「うな重」や「うな丼」の形での提供を目指すほか、日本橋三越本店(東京都中央区)でも7月中にかば焼きの販売を予定している。
