諸鈍デイゴ、樹勢回復へ ドローンで薬剤散布 鹿児島県加計呂麻島

 鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の町指定天然記念物「デイゴ並木」(諸鈍)で21日、産業用ドローンを用いた害虫防除の薬剤散布が行われた。町が2024年度から3カ年計画で進めている第2期樹勢回復事業の一環で、委託を受けた「木風」(東京都中央区、後藤瑞穂代表取締役社長)が、徳之島町を拠点に産業用ドローンの操作教習や農薬散布代行を行う「吉田ラボ」と実施。より効果的なピンポイント散布を目的に、24、25年度のクレーン車による地上散布からドローン散布へ切り替えた。

 諸鈍のデイゴ並木は、樹齢300年以上の巨木を含む景勝地。08年に害虫デイゴヒメコバチの被害が確認されて以降、衰退や枯死が進行していた。

 その後の調査で、養菌性キクイムシに共生するフザリウム属菌による腐朽病害が主因と判明。町は19―21年度を第1期、24―26年度を第2期として、これまでに土壌改良や枯枝除去、薬剤散布などに取り組んでいる。最盛期に85本あったデイゴの木は21日現在、63本となり、そのうち今季に開花が確認できた木は約1割だった。

 樹木医の後藤社長(57)によると、デイゴはフザリウム菌の腐朽病害が改善し、樹勢は回復傾向。デイゴヒメコバチの被害による葉のでこぼこも減少している一方で、毛虫による葉への食害が新たな課題となっている。後藤社長は「現在は樹勢回復を優先する段階にあり、開花には大きなエネルギーを必要とするため、来年以降の回復を見据えた管理が必要」と説明。第2期の最終年度を迎え「(デイゴヒメコバチは)外来害虫のため天敵が存在せず、根絶は困難。デイゴは景観保護だけでなく、防風・防潮林として地域を守る役割も果たしている。人の手による継続的な管理が必要」との見解を示した。

 次回の散布は9月に実施。また一般社団法人日本樹木遺産協会からの寄付金を受け、3回目を来年3月に実施予定。

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