琵琶湖博物館で「龍になったといわれるコイ」展示 野生型コイ、絶滅の可能性知って

 琵琶湖博物館(草津市下物町)が現在、干支(えと)のたつにちなんだ展示を行っている。(びわ湖大津経済新聞)

 水族展示室「よみがえれ!!日本の淡水魚」保護増殖センター前特設コーナーで「コイが川を上り、滝を登り、竜となった」という中国の故事「登竜門」にちなみ、「龍になったといわれるコイ」として、コイ「野生型」とコイ「飼育型」の標本を展示する。

 コイを巡っては近年、日本在来の「野生型」と外来種の「飼育型」がいることが判明。野生型は頭から尾にかけて細長く、飼育型は腹から背にかけて縦に長い。野生型は日本各地に生息していたが、飼育型との交雑により、純粋に近い野生型は琵琶湖の水深20メートルより深い所にしか残っていないとされ、環境レッドリスト2020には絶滅のおそれのある地域個体群として掲載されている。琵琶湖でコイヘルペスウイルス病が発生した時に死んだのはほとんどが野生型で、さらに個体数を減らしたと見られている。同博物館では今後、野生型の保護、繁殖に取り組む予定という。

 コイの展示を提案した飼育員の山口久留実さんは「身近な淡水魚のコイに絶滅の可能性があることを広めたいと干支にちなんで提案した。皆さんに知ってもらって、日本のコイを守っていけたら」と話す。

 「ディスカバリールーム」では、9つの動物に似ているといわれる竜と動物について知るスタンプラリー「りゅうのひみつを探そう」を実施しているほか、通常展示にも竜に関する展示がある。人と自然の関わりを紹介するB展示室には「ナビゲーター」として展示を案内する竜のオブジェと琵琶湖岸で発掘されたトウヨウゾウの化石を竜の骨だと思い込んで組み立てた様子が描かれた「龍骨図」がある。

 「龍になったといわれるコイ」の展示は2月29日まで。「りゅうのひみつをさがそう」は1月8日まで。

 同博物館の開館時間は9時30分~17時。ディスカバリールームは時間入れ替え制。月曜休館(1月8日は開館、22日から26日はメンテナンス休館)。入館料は、大人=800円、高校生・大学生=450円、中学生以下無料。

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