見つかったのは「一般の人も遊べる場所」 勝浦・鴨川に新種エビ 千葉県中央博の駒井氏、405件目の発見

 千葉県立中央博物館(千葉市中央区)の駒井智幸動物学研究科長は勝浦市と鴨川市の磯で、新種のエビを発見したと発表した。発見された房総半島にちなんで「ボウソウトゲツノモエビ」と名付けられた。駒井さんは「調査が進む房総半島沿岸で見つかるとは予想していなかった」と新種発見の喜びを語った。

 駒井さんは勝浦市から鴨川市の3カ所の磯で、大潮の干潮時にできた潮だまりから新種のエビを見つけた。体長は約2・5センチで雌の方が大きく、脚のハサミも雌と雄で異なるという。採取した7匹の中には卵を抱えた個体もいた。形態の比較やDNA解析で新種と判明し、国際的な動物分類専門誌「Zootaxa」に公開された。

 駒井さんは「一般の人も遊べる場所で見つかった。身近な環境にも未知の生物がいることが分かる」と今回の新種発見の意義を強調した。

 ボウソウトゲツノモエビは房総半島以外では採取例がなく、分布域はよく分かっていない。駒井さんは今後も調査を継続していくという。

 このエビはヒメサンゴモエビ科トゲツノモエビ属で、磯や藻場でよく見られる小さなエビの仲間。同属はこれまでに33種知られていて、日本周辺の海域からは14種が確認されている。

 同館は開館時から継続的に房総半島周辺の海域にすむ甲殻類の調査している。駒井さんはエビなどの十脚目甲殻類の分類をテーマに研究していて、新種の発見は405件目。

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