特定外来生物「コクチバス」岐阜市の長良川で初確認 8月、御料場の上流

 岐阜県内の木曽三川で確認が相次いでいる魚食性の高い特定外来生物「コクチバス」が今年8月、岐阜市の長良川で見つかっていたことが分かった。成魚1匹が動画に映っており、正式に県が確認すれば、岐阜市では初で、長良川本流では3例目になる。

 見つかったのは、岐阜市岩田西の千鳥橋上流の左岸側で、今年5月に初確認された美濃橋(美濃市)から約17キロ下流。皇室に納める鮎を鵜飼漁で捕る御料場のすぐ上流にあたる。

 漁協組合員でもある潜水士の田口泰三さん(49)=岐阜市=がワンド状の箇所で素潜り中、25~30センチの魚を見つけ、追いながらウエアラブルカメラに収めた。すでに定着している同じサンフィッシュ科のオオクチバスと思っていたが、今月になってコクチバスとの指摘を受け、「これは大変だ」と驚いたという。

 外来生物に詳しい岐阜大地域科学部の向井貴彦教授(保全生態学)は、顔の明瞭なしま模様や、黒い斑紋がないオリーブ色の体色、目と口の位置関係などからコクチバスと判定した。「ため池で調査や駆除をされているが、本流でも予想以上に広がっているかもしれない」と危惧。「ダイバーなどの民間の人たちにも協力を呼びかけては」と駆除の広がりに期待した。

 採取した水から生息を探る今年5月の環境DNA調査では、美濃橋から岐阜市までの9地点はすべて陰性だった。

 県内のコクチバスをめぐっては、完全駆除を目指した協議会が26日に発足。長良川水系は、2025年度中の完全駆除を目標に掲げている。

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