「ザリガニ」が食糧危機を救う!? 低コスト・高タンパクのザリガニを東農大が“激推し” コオロギのライバルになる?

 主に中国などで人気を集めているザリガニ料理。12月8日、ケニアの大使館や農水省からも人が集まる中、東京農業大学が「ザリガニ」を新たな食資源として提唱した。

「未利用資源であった“ザリガニ”の素晴らしい研究が、食資源につながっていくと感じている」(東京農業大学・江口文陽学長、以下同)

 高たんぱくで成長スピードが早く、生産コストが低いアメリカザリガニを、栄養不足が深刻な地域に食文化として取り入れる研究だ。

「砂抜きや匂い抜きをすれば、ザリガニも非常に素晴らしい食資源になると感じた」

 東京・新宿区に「蝦道」というザリガニ料理専門店がある。店では、中国から輸入した食用ザリガニを使用。「マーラーザリガニ炒め」は常連が必ず頼む定番料理で、エビに食感が似ているという。

 日本では、どのような研究が進んでいるのか。研究を行なう東京農業大学・武田晃治教授は、「どういう条件で育てるとより早く生育するか、食べる肉質の部分を増やせるかなどの研究をしている」と話す。

 一方で、日本でアメリカザリガニを活用するにはハードルがある。環境省によると、アメリカザリガニは日本に1927年に27匹が持ち込まれた。現在では、47都道府県で確認されるほど増えているが、生態系を脅かすとして特定外来種(条件付き)に指定され、販売目的の飼育などが規制されている。

 武田教授は、ザリガニは駆除するだけでなく、食資源としても活用していかなければいけないと言う。

「(アメリカザリガニは)食べられない部分は医療用や、農業という形で肥料にもなるので、捨てる部分がないという考え方でいいと思う。これから食糧難になりそうなところ、日本ももしかすると将来そうなったときに、『ザリガニにはこんな栄養素が入っている』など、一つの資源としての価値を教えていかないといけない」

(『ABEMAヒルズ』より)

+Yahoo!ニュース-国内-ABEMA TIMES