外来害虫「セグロウリミバエ」根絶へ 沖縄県、「不妊虫」1万匹を試験的に放つ

 沖縄県は28日、外来害虫「セグロウリミバエ」の繁殖を防ぎ根絶につなげるため、名護市の屋我地島で、生殖能力を失わせた「不妊虫」の雄1万匹を試験的に放った。不妊虫がどれくらい範囲に分散するのか、飛行能力を調べるのが主な目的。6月から始める本格的な放虫に向けた準備の一環となる。

 同日、屋我地島のサトウキビ畑で放虫した。仮死状態にされた1万匹が徐々に活動を再開し、飛び立った。周囲1キロ四方には、調査用のトラップ100個も仕掛けており、不妊虫の飛行能力を調べるとともに野生のセグロウリミバエの生息状況を調べる。

 県は、根絶に向けて「不妊虫放飼(ほうし)法」に取り組む。不妊虫と交尾した虫が産む卵はふ化せず、これを繰り返すことで、数を減らす手法だ。

 不妊虫は野生の虫と違って、額部分をオレンジ色に着色している。県病害虫防除技術センターの担当者は「もしセグロウリミバエを見つけて情報提供くださる場合は、野生かどうかを判断するために額部分が分かるように撮影してほしい」と呼びかけた。

 県は、6月から数万匹単位で段階的に放虫を始め、10月ごろには、ヘリコプターを活用して週2400万匹の放虫を目指す。(北部報道部・比嘉海人)

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