種子島だけに群生するから…新たな名前は「タネガシマハナサンゴ」 絶滅の危険性、最も高く

 現存するサンゴで、最も絶滅の危険性が高いとされる「ハナサンゴモドキ」の名称が、唯一の群生地として知られる鹿児島県の種子島を前面に出した「タネガシマハナサンゴ」に変更された。埋め立てを含む大規模整備が予定される西之表港(西之表市)の港内で、多数の個体が確認されている。

 サンゴの研究者らでつくる「日本造礁サンゴ分類研究会」で認められ、昨年11月に同会が発表した図鑑に新しい和名が記載された。

 タネガシマハナサンゴは骨格から長い触手が伸び、大きなイソギンチャクのように見える。サンゴでは珍しい雌雄異体で、繁殖時に幼生を放出するのが特徴。ただ、幼生の行動範囲は狭く、雄と雌がそろった健全な個体群がなければ繁殖が続かないため、分布域は広がりにくいとされる。

 かごしま水族館(鹿児島市)でも展示されており、担当の出羽尚子係長は「貴重な生き物として地元が誇りに思い、大切にする意識が高まれば」と期待を寄せる。2019年に「種子島のハナサンゴモドキ」として鹿児島県の天然記念物に指定された。

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