「メダカ池、荒らさないで」三重・多気町丹生 保全広場で泥や水草上げる 生物持ち帰りなど被害続く

 三重県多気郡多気町丹生の立梅用水土地改良区(中村豊實理事長)が管理する丹生の「水と土と緑の保全広場」(通称・メダカ池)が荒らされているのが見つかった。池の泥とともに、栽培している水生植物のホテイアオイなどが土手にかき上げられていた。これまでにも水生生物の捕獲を狙って荒らされたことがあるといい、職員らは警戒を強めている。

 メダカ池は同地域のボランティアグループ・ほてい倶楽部(くらぶ)が1995(平成7)年から、「ふるさと水と土の保全活動」の一環として荒れていた山間の休耕田を昔のように復元し、メダカを放しホテイアオイを育て、水田機能を活用した生態系の保全活動を行っている。

 同池は2200平方メートルの広さで、タガメ、ゲンゴロウなどの水生昆虫や、カエルなど在来種と外来種が安定して生活できる生息空間(ビオトープ)を形成しており、現在は同池を活用した観察会など、子供たちの環境学習の場として活用している。

 同改良区では、定期的に池周辺の見回りをしているが、3日朝に池からかき上げたとみられる泥とともに水草などが、周辺の土手一帯に散らばっているのに気が付いた。

 これまでもペットの餌用にカエルやイモリなどを大量に捕まえて持ち帰ろうとする人などがいたといい、生物保護などを呼び掛けているが、被害は不定期的に発生し頭を悩ませている。

 事務局の山本有紀さん(31)は「生き物が好きな人は大歓迎ですが、生き物は持ち帰らない、持ち込まないなどマナーを守ってください」と訴え、また「同池ではホテイアオイをはじめ外来種も適正に管理した上で生息しているので、それらを他の場所に放されるのも困る」と話している。

+Yahoo!ニュース-地域-夕刊三重