釣り針・ルアーでけがをした鳥が相次いで見つかる 『水鳥の飛来地』京都・天橋立近くの海で…漁業者以外「釣りは禁止」なのに

 今、京都府の天橋立付近の海で、傷ついた鳥が相次いで見つかっています。

【記者リポート】 「奥に見えるのが天橋立です。阿蘇海は内海となっていて流れがとても穏やかで鳥の飛来地として有名です。今年も多くの鳥たちが羽を休めています」

 水鳥の飛来地として知られる阿蘇海。近年その数は減っているそうですが、取材日はコハクチョウ2羽を確認することができました。

 傷ついた鳥は、この場所で相次いで見つかりました。目に色鮮やかなルアーが刺さったオオセグロカモメ。

 くちばしに釣り針が刺さり、体に釣り糸が巻きついたカワウ。

 脚に釣り糸が絡まったミサゴ…どの鳥も、人間が使った釣り道具によって傷ついていたのです。

 11月末、カワウを助けようとした男性は…

【傷ついた鳥を目撃した人】 「普通は群れでいるんですけど、傷ついた鳥は群れから外れてポツンと一羽だけでいることがある。何か変だぞと思って目にとまる。何とかしたいと思うんですけど…生きているので、捕まえようとしても逃げるし」

 貴重な水鳥の飛来地として、環境の保全を求める看板も設置されていますが、釣りをする人たちが目撃されています。

 京都府によると、阿蘇海には特別な漁業権が設定されているため、漁業者以外の釣りは認められていません。

【日本鳥類保護連盟 京都 八木昭 副会長】 「動物は弱ったものを食べるんです。魚をたまたま食べたら、針がついていて糸がついていたと、そういう状態。(ルアーなどの)ごみが岸に固まります。そこに鳥も餌を探しに首を突っ込む場合がある。ルアーがカモメから見ても餌だと思ったかも」

 鳥が傷つくのは、釣り具だけではありません。例えば、近くに養鶏場があるため池では、鳥インフルエンザウイルスをもつ恐れのある渡り鳥が池に来ないよう糸を張りますが、この糸にひっかかってしまう鳥が相次いで見つかっています。

【日本鳥類保護連盟 京都 八木昭 副会長】 「こういうのを放置したらあかん。脚に絡んだりするんですよ。自分の身近で回収できるものは回収するのが、マナーだと思います」

 人間の生活が原因で、けがをしたり命を落としてしまう鳥たち。私たちの心がけが大切です。(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月20日放送)

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