富山市新庄小学校は、敷地内にあるビオトープ「新庄の森」を再生させた。管理が行き届いていなかったため、小川の水が濁ったり、雑草が茂ったりと、長年荒れた状態だった。創立150周年を機に住民が協力して、自然に親しむことができる場所へと復活させた。
新庄の森は約20年前、子どもたちの自然を愛する心を養うために整備された。近くの用水からポンプで水をくみ上げ、長さ約50メートル、幅約1・5メートルの小川が流れる。完成当初は水辺の生き物がすんでいた。
ただ、維持管理が徹底されておらず、小川には泥がたまって生き物がいなくなった。キショウブなどの外来植物が繁殖し、従来見られた植物の姿も少なくなったという。
ことし新庄小が創立150周年を迎えたのを機に、子どもたちに環境保全について考えてもらいたいと、新庄校下自治振興会が新庄の森の整備を呼びかけた。県中央植物園の中田政司園長が同校を訪れ、植物の配置などを指導した。
7月に住民らが小川の水を抜き、雑草やたまった泥を取り除いた。9月には児童がカキツバタやミズアオイ、ショウブなどを小川に植えた。手入れをした後、メダカが生息するようになった。10月にお披露目会があり、福田有児校長や住民ら約20人が新庄の森の生まれ変わった様子を喜んだ。 児童は毎日、草むしりに励む。新庄校下自治振興会の菱田浩一会長は「美しくなった新庄の森を、子どもたちにずっと守っていってほしい」と話した。