その名も「YKB48」 桜を食い荒らす厄介者撲滅へ、京都の住民たちが立ち上がった

 サクラやウメ、モモなどを食い荒らして枯らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」。山城地域で被害が拡大する中、「やましろクビアカツヤカミキリ撲滅チーム」を、京都府山城広域振興局が立ち上げた。自治体やボランティア団体、住民らでつくり、頭文字から「YKB48」と命名。見回りや駆除、情報共有、防除の講習会などに取り組み、阻止を目指す。

 クビアカツヤカミキリは、体長約2・5〜4センチで、光沢のある黒い体で胸部が赤いのが特徴。バラ科の樹木に産卵し、幼虫は内部を食い荒らして枯らす。木くずとふんが混じった「フラス」を、大量に出す。府内では2024年、京都市内で初めて確認された。

 山城地域は今年3月末時点で、京田辺市66本、木津川市15本、精華町5本、八幡市2本が被害に遭った。成虫は1年で約2キロ移動するとされる。同局のシミュレーションによると、何も対策をしないと、3年後には生息域が全域に広がる可能性があるという。

 背割堤(八幡市)や宇治川(宇治市)の桜並木、青谷梅林(城陽市)など、山城地域にも名所は多い。府は危機感を持ち、対策に乗り出した。

 公募で集まった撲滅チームのメンバーは、自治体やボランティアなど8団体と、市民ら計52人。定期的に見回りを行い、発見すれば踏みつぶすなどして駆除する。その場所や日時を専用の窓口に通報し、情報を共有して対策に役立てる。

 防除や探し方の講習会も定期的に開く。山城北保健所は「どんどん仲間を増やし、撲滅したい」としている。問い合わせは0774(21)2913。

 クビアカツヤカミキリの被害は、どう防げばよいのか。京都府山城広域振興局の宇治総合庁舎(京都府宇治市宇治)でこのほど、撲滅チームを集めた講習会が開かれ、専門家2人が実演を交えて解説した。

 樹木医の東條広明さんは、一度被害を受けた木に集中する特性があり「予防が一番大切」と強調する。枝の割れ目や根っこが「絶好の産卵場所」で、幹にだけネットをかけても防除の効果は薄いとした。

 近くの学校にあるサクラで、殺虫剤の散布方法を実演した。幹や太い枝、露出した根に満遍なくかけると、約1カ月間産卵を防げる。ネット巻きや伐採などの重労働も回避できるという。

 大阪府立環境農林水産総合研究所の原口岳さんは、大阪での被害分析を説明した。

 都市部では街路や公園にサクラが密集しており、拡大につながっていると指摘。市民の間に薬剤や伐採への抵抗感が強く、「サクラを大切にしてきたからこそ、対策が難しい」と吐露した。

 被害を阻止するため、市民が成虫の捕獲数を競うイベントを開催。市町村に発生状況のアンケートを採り、分布や警戒エリアを分析していることを紹介した。

 特定外来生物 日本固有種や環境に大きな影響を与えるため、法律で取り扱いが厳しく規制されている外来種。飼育や保管、輸入、野外への放出、譲渡などが禁止され、違反すると罰せられる。ウシガエルやアカミミガメ、アメリカザリガニなども指定されている。

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