北アルプス立山の高山生態系を守れ!富山の中学生100人が外来種5,489本を除去、全23校へ拡大方針 気温16.8℃の室堂平で環境保全活動

 富山県の立山連峰・室堂平(標高2,450メートル)で7日、富山市内の中学校8校から生徒48人を含む約100人が参加し、高山生態系を脅かす「外来植物の除去活動」が行われました。参加者は1日で計5,489本を駆除しました。この取り組みは創立55周年を迎えた富山西ロータリークラブが立山黒部貫光の協力のもと実施したもので、主催側は将来的に富山市内すべての23中学校に対象を広げていく方針です。

 この活動は 、創立55周年を迎えた富山西ロータリークラブが立山黒部貫光の協力を得て実施したもので、富山市内の8つの中学校(岩瀬、芝園、新庄、西部、東部、南部、北部、堀川)から生徒48人が参加し、会員やその家族らを合わせて約100人が汗を流しました。

■コロナ禍で遠のいていた立山へ 臨時列車「スーパー立山号」で室堂を目指す

 参加者たちは午前7時58分、電鉄富山発の臨時列車「スーパー立山号」で出発。立山駅からケーブルカー、美女平から高原バスを乗り継ぎ、目的地である立山室堂を目指しました。

 かつて富山市内の小学校では学校行事として立山登山が行われていましたが、コロナ禍などの影響で中止されていて、今回参加した生徒の中には「初めて立山を訪れた」という人も多く見られました。

■観光客の靴底などから侵入…約70種の外来植物が生態系を脅かす

 年間100万人に迫る観光客や登山客が訪れる立山では、本来そこに生息しない植物の種子が、靴底や衣服、作業車両のタイヤなどに付着して持ち込まれることが深刻な問題となっています。外来種が繁殖すると、高山植物など本来の在来種の生育地が奪われ、貴重な高山生態系が破壊される恐れがあるためです。

 立山では、外国由来のセイヨウタンポポやシロツメクサのほか、国内の平野部や地域外から侵入したオオバコやイタドリなど、約70種類の外来植物が確認されています。自然保護協会などの活動により昨年度だけでも約15万6,000本が除去されましたが、拡散を防ぐためには人の手による地道な作業が欠かせません。

 現地で指導にあたった富山県自然保護協会のナチュラリスト・上野玉紀さんは、次のように呼びかけます。

上野玉紀さん「外来植物の繁殖を防ぐには、ここを訪れる一人一人の協力が必要です。立山駅や室堂ターミナルにある洗い場や備え付けのマットで、靴底をきれいにしてから散策を楽しんでほしい」

■猛暑の平野部を離れ、気温16.8度の中で5,489本を除去

 この日の立山室堂は午後1時時点の気温が16.8度と、真夏の日中でも非常に心地よい涼しさとなりました。

 生徒たちはナチュラリストから説明を受けた後、8つの班に分かれて作業を開始。3,000メートル級の雄大な立山連峰を背景に、鎌やハサミを使って「イタドリ」や「スギナ」「ヨモギ」などを丁寧に抜き取りました。

 この日1日で除去された外来植物は、合計5,489本に上りました。

 作業を終えた参加生徒からは 、「立山に外来の植物がこんなに存在していることを初めて知りました」「立山の豊かな自然を守る活動に参加できたことは、とても貴重な体験になりました」といった声が聞かれました。

 主催した富山西ロータリークラブでは、この取り組みを来年度以降も継続し、将来的に富山市内すべての23の中学校に対象を広げていく方針です。

+Yahoo!ニュース-地域-チューリップテレビ