死んだ赤ちゃんウミガメのお腹から出てきたのは60個以上の小さなプラスチック 海の生物救うために心がけてほしい事

 写真に映っているのは、プラスチックや発泡スチロール、ビニール袋の破片に釣り糸。大きさは1センチ未満のものから、大きいものはおよそ2センチ。これらは、死んだ状態で見つかった体長10センチほどのウミガメの腸の中から大量に出てきたものだ。

「プラスチックごみを見つけたら、一つでも小さくても拾ってほしい」と呼びかけるのは沖縄沿海保全同友会。海の環境保全やウミガメの保護活動に取り組む彼らの活動を取材した。

マイクロプラスチックを発生させないために

 2025年1月18日、1隻の船が港に戻ってきた。 運び出されたのは、残波岬の沖、海中30メートルから回収されたルアーや釣り糸。

沖縄沿海保全同友会 ダイバー 石塚茉尋さん:
崖下に、たくさんのサンゴの間にたまっていました。他の国から漂着してきたゴーストネットと呼ばれる大きな漁網が、サンゴにからまったり、かめや魚をからめてしまい死んでしまうこともあります。そのような現場にも、時々潜っていると出会います

 海洋保全やウミガメの保護活動に取り組んでいる沖縄沿海保全同友会は、ビーチクリーン活動や、ボランティアダイバーによる海中に沈んだ海洋ごみの回収に取り組んでいる。

沖縄沿海保全同友会 代表理事 バスティアン・カールさん:
このまま放置すると、生き物がからまって傷つくことがあります。また、ごみが少しずつ分解されることで、マイクロプラスチックが発生します。だから、回収することで環境をよくしていくことが、大事な作業の一つだと思います

 プラスチックが細かくなり、回収できないほど小さくなったマイクロプラスチックは、魚などの海の生き物が体内に取り込み、さらに、それを食べる人間にも影響をおよぼすことが心配されている。

 海のごみがからみついたり、エサと間違えて口にした生き物は、命を失うこともある。

 読谷村から恩納村にまたがるビーチでは、2024年12月から2025年1月にかけて、大きさ10センチほどの、生後1年未満とみられるウミガメ2匹の死がいが見つかった。

 体に損傷はなく、死因を調べるために解剖をしたところ、発泡スチロールのかけらや、たばこの包装に使われているプラスチックシートが詰まっていた。

沖縄沿海保全同友会 新井美和さん:
60個以上の小さなプラスチックが、小さな腸の中にぎゅっと詰まっていました。これは、小さな体では排出することができなかったのだなと思いました。異常なお腹の中だったことを目の当たりにしました

沖縄沿海保全同友会 代表理事 バスティアン・カールさん:
ごみを食べて死んでしまうという現実を目の当たりにすると、とても……悲しいです

ゴミを見つけたら拾い上げてほしい

 2025年1月9日には、首や前足に釣り糸がからまった状態の死がいが大宜味村のビーチで見つかった。

沖縄沿海保全同友会 新井美和さん:
小さなごみを一つ拾うことが、もしかしたら次の一つの命を救うことにつながるかもしれません。だから、このことを多くの人に知っていただきたい

 毎月ビーチクリーン活動をしている沖縄沿海保全同友会は、2月も読谷村のビーチで活動を予定していて、できるだけ多くの人に参加してもらい、海の環境について考えるきっかけにしてもらいたいとしている。

(沖縄テレビ)

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