鹿児島県内各地に潜む外来魚と生態系への影響を解説する特別展が、鹿児島市郡元1丁目の鹿児島大中央図書館で開かれている。在来魚を含め、52種の標本180点を展示。外来魚が在来動物を脅かす例を示し、安易な放流はしないよう呼びかけている。2月7日まで(1月28日以降は学内者のみ入場可)。無料。
外来魚は国外や国内の別の場所から導入された魚のほか、近年は人工改良された「第3の外来魚」の放流が深刻な問題となっている。展示では川内川や池田湖、離島などに生息する種や流入した経緯を紹介する。
定着した外来種も多く、日本在来のコイは現在、琵琶湖にのみ残り、鹿児島を含め各地にいるコイは大陸由来の外来か交雑個体だという。ただ、駆除か保護かの判断は単純ではない。例えば、ドジョウは県本土では在来で保護対象だが、同属のシノビドジョウが生息する奄美群島では駆除の対象となる。県本土に広く分布するが、外来か在来か分かっていない種もある。
主催する鹿大総合研究博物館の本村浩之館長(51)は「既に在来魚のように存在する外来魚とその問題を知ってほしい」と話した。2月8日から3月16日は、同市のかごしま環境未来館に会場を移して開く。