平年のわずか3% 琵琶湖のアユ漁獲量激減 昨夏の猛暑原因か

 琵琶湖の湖魚を代表するアユのエリ漁の漁獲量が今年1月現在、平年のわずか3%しかないことが滋賀県の調べで判明した。三日月大造知事は20日の定例記者会見で「大不漁だった2017年を下回る『極端な不漁』で、動向を注視したい」と危機感を示した。昨夏の猛暑による影響で産卵が激減したことが原因とみられる。

 県によると、1月のアユの漁獲量は継続的に調査を続けている2漁協のエリアで、エリ1カ所当たり平均4・3キロだった。これは14年から10年間の平均漁獲量(149キロ)の2・9%にすぎず、この10年間で最も少なかった17年の漁獲量(6・5キロ)を下回った。他の地域からも「減っている」との声が届いているという。

 産卵期の昨年9~10月の琵琶湖に流れ込む河川の水温は、例年より2度高い24度だった。県は、この影響で産卵数が15億2000万粒と平年の2割程度しかなかったことが漁獲量の激減につながったとみている。

 琵琶湖の環境を巡ってはこの1年、少雨による水位低下や長浜市の高時川から流れ続ける濁水が問題になっている。県は、漁師らから「水位低下で琵琶湖の水の流れが変わった」などの声が寄せられているとしている。しかし、「過去に琵琶湖の水位低下がアユの漁獲量に影響したという記録は見当たらない。降水の少なさから琵琶湖へ流れ込んだ濁水は多くない」などとして、水位低下や濁水の影響はほとんどないと見ている。

 一方、魚群探知機を使った調査によると、1月のアユの魚群数は例年の2割に当たる36群あった。魚群数の減少以上に漁獲量が少ないことから、魚群がエリ漁の地域から離れている可能性もあるとして、魚群把握の調査範囲を広げ、漁獲アップにつなげたいとしている。【北出昭】

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