「これほど繁茂したら…お手上げ状態です」 外来種、沖縄の北部地域で異常繁殖 サクラの開花に支障も

 【北部】世界の侵略的外来種ワースト100に選定され、要注意外来生物に指定されているギンネム(マメ科)が北部地域で異常繁殖している。名護市宮里5丁目付近や大西トンネル付近、大北区の歩道の根鉢など、少なくとも40カ所で自生している。(玉城学通信員)

 ギンネムは中南米原産の落葉低木で、白い花は通年開花するが、今の時季は結実してマメさやがぶら下がっている。生命力が強い。県内には1910年以降、畑の緑肥や家畜の飼料などとして移入された。土壌流出防止にも使われている。

 名護市大中の県道84号沿いの県立北部病院の道路側では、高さ3~4メートルのギンネムが群生している。今帰仁村呉我山の県道123号の呉我山橋付近でも、高さ約2~3メートルの成木が多数確認できる。

 北部各地では、同じく外来種ワースト100に挙げられる特定外来生物ツルヒヨドリ(キク科)も繁殖している。

 本部町伊豆味の農村公園駐車場構内や山すそでは、植えられたクメノサクラ(バラ科)169本のうち10本にツルヒヨドリのつるが絡まっている。同区の徳村政邦さん(79)は、一本一本丁寧につるを枝から外す作業に追われていた。徳村さんは「ツルヒヨドリがこれほど繁殖するとは考えてもみなかった。クメノサクラから外さないと、開花に支障が出る」と汗を拭った。

 さらに、つる性植物で繁殖力が強いモミジヒルガオ(ヒルガオ科)も、屋我地島の我部など名護市内各地で目立つ。

 モミジヒルガオは北部地区さとうきび生産振興対策協議会の2015年発行の「さとうきび畑やその周辺の雑草」のハンドブックで難防除対象となっている。我部区の喜屋武良正区長は「これほど繁茂したら区としてはどうすることもできない。お手上げ状態です」と話した。

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