魚の喉ぼとけ…みたいな寄生虫 しかも、新種

 鹿児島大学大学院の上野大輔准教授(42)らの研究チームは、屋久島や三島村竹島の沿岸地域で、新種の寄生性甲殻類を確認したと発表した。魚の頭と胴の境目付近、人間でいう喉の辺りに付着することから和名を「ウオノノドボトケ」と付けた。

 屋久島町でダイビングショップを営む原崎森(しげる)さん(52)が気付き、「珍しい寄生虫がいる」と上野さんに情報提供。数年かけて採集し、形態やDNAを解析した結果、新種だと分かった。

 ウオノノドボトケは、ダンゴムシの仲間であるウオノエ科ウオノギンカ属の1種で、体長は5~6センチ。沖縄でグルクンと呼ばれるタカサゴ科ニセタカサゴの表皮に、爪をたててしがみつくという。

 学名は原崎さんにちなんで「Anilocra harazakii」。11日、日本寄生虫学会の国際誌に掲載された。上野准教授は「珍しい生き物が見つかるのは、多様性のある豊かな海だということ。より詳しく生息域や生態を調べたい」と話した。

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