滋賀県内で昨年夏に約100年ぶりに見つかったミナミヌマエビが、草津市の琵琶湖博物館で展示されている。5月14日まで。
ミナミヌマエビは体長2センチほどで淡水に生息する。西日本に広く分布し、以前は河川や沼で見られたが、近年は農薬などの影響で数が激減。県内では1915年に採集された標本が唯一の確実な記録で、2000年以降は魚釣りのえさなどに用いられる外来種のシナヌマエビが多く見られるようになり、すでに絶滅したとされていた。
京都大学の研究グループが県内で調査を行っていたところ、昨夏に複数の河川でミナミヌマエビを採集し、107年ぶりに生息が確認された。
同館では今回見つかったミナミヌマエビ約30匹を展示。水槽の中を元気に動き回る姿を観察できる。このほかシナヌマエビや交雑種の水槽も並べている。
今後はミナミヌマエビの分布の調査を進めるといい、学芸員は「川への放流などで外来種との交雑が進んでいる現状も知ってもらいたい」と話している。
展示場所はアトリウム企画展示室前(水族展示室は5月8日まで閉鎖中)。