福島・松川浦の生態系、徐々に震災前へ回復 東北大など確認

 東北大と国立環境研究所は、東日本大震災の津波で被災した仙台湾の干潟8カ所のうち、福島県相馬市の松川浦鵜の尾を含む7カ所で、震災前の生態系に回復しつつあるとする調査結果をまとめた。松川浦鵜の尾では、震災前に多数生息していた巻き貝「ホソウミニナ」が2011(平成23)年の震災後の調査で大きく減少していたが、徐々に生息数の拡大が確認された。

 ほかの6カ所も同様の傾向で、津波による環境変化を免れたとみられる。ただ、調査地点8カ所のうち1カ所は津波の影響で環境が大きく変わり、生態系の回復が見られなかった。

 東北大大学院生命科学研究科の占部城太郎教授らのチームが11~19年に干潟で生物を採取するなどの調査を実施。論文は国際的な専門誌「リムノロジー・アンド・オーシャノグラフィー・レターズ」の電子版に11月10日付で掲載された。

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