アワビが「絶滅危惧種」入り、オオサンショウウオも「準絶滅危惧」から1段階上に

 おせちのアワビが食べられなくなる?――。各国の政府や環境団体などでつくる「国際自然保護連合」(IUCN)は10日、絶滅の恐れがある動植物をまとめたレッドリストの最新版を公表した。刺し身やおせち料理でなじみ深く、日本近海で取れるアワビ3種を「絶滅危惧種」に追加した。

 追加された3種はクロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ。これまでは「未評価」だったが、IUCNは乱獲や海水温上昇、化学物質の汚染に伴う生殖能力の低下などで漁獲量が減少していると指摘。アワビが餌とする海藻の減少も影響しているという。

 アワビは海外でも高級食材として流通しているが、日本近海で取れる3種を含め、世界のアワビのうち20種が絶滅の危機にあるという。

 世界最大級の両生類オオサンショウウオは、「準絶滅危惧」から1段階上の「絶滅危惧種」に変更された。1952年に国の特別天然記念物に指定されたが、中国から食用として輸入された外来種と交雑が進み、在来種の減少が懸念されている。

 レッドリストの最新版は、カナダ・モントリオールで開催中の国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)でも報告される。

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