外来種アメリカザリガニ、ウシガエル 親水公園脅かす 環境カウンセラーと市民が駆除活動「生態系や環境、地域単位で考えて」 志布志・有明

 鹿児島県志布志市有明町蓬原の蓬の郷親水公園一帯で、外来生物のアメリカザリガニやウシガエルが繁殖している。捕獲・駆除に取り組む環境省環境カウンセラーで、県外来動植物対策推進員の窪健一さん(73)=同市=は、在来種を脅かす状況に警鐘を鳴らし「身の回りの生態系や環境を地域単位で考えてほしい」と訴える。

 アメリカザリガニは雑食性で繁殖力が強い侵略的外来生物。8月上旬、窪さんが同公園の下池下流の用水路で繁殖を確認した。水たまりや岩、土壌の中に生息し、同月末にかけて市民と捕獲、計749匹を駆除した。このとき、ウシガエルの幼生(オタマジャクシ)も6匹見つかった。

 ウシガエルはさまざまな小動物を捕食する特定外来生物。下池周辺で繁殖し、窪さんは8月上旬から月末にかけて幼生(変態期含む)216匹、幼体36匹、成体1匹の計253匹を捕獲。9月1日から下旬にも44匹を捕まえ駆除した。

 アメリカザリガニは釣ったものを持ち帰って家庭で飼育するケースが多い。窪さんは「外来生物であることや問題点について環境教育が重要だ」と強調する。

 ウシガエルも「在来水生動物が補食され、すみかを奪われるなど生態系への影響が懸念される」と定期的な駆除を訴える。池の排水ゲートは金網の破損などが見られ、外来種が周囲に広がらないよう改善が必要だとしている。

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