大宮公園の舟遊池で12年ぶりに「かい掘り」 「大掻掘まつり」も

 埼玉県営大宮公園(大宮区高鼻町4)の舟遊池(しゅうゆういけ)で11月3日・4日、かい掘りが行われ、「大掻掘(かいぼり)まつり」も開催される。主催は埼玉県公園スタジアム課。(大宮経済新聞)

「かい掘り」は本来、農業用ため池の水を抜き、泥のかき出しや護岸の修繕、池底の天日干しなどを行う池の維持管理の方法を意味するが、外来種の駆除や水質改善効果が期待できるため、近年、公園池でも実施されるようになったという。今回のかい掘りも「水質改善と自然再生」を目的に行う。

 1.8ヘクタールの面積に及ぶ舟遊池のかい掘りを行うに当たり、一般公募した市民、関係団体や県職員のほか、ボランティアリーダー「大宮池守(おおみやいけもり)」など約200人が作業に参加する。隣の上尾市からも上尾丸山公園のかい掘りボランティア団体「上尾水辺守(あげおみずべもり)」がサポートに駆け付ける。

 前回2011(平成23)年に行ったかい掘りで、コイ(外来種)、ハクレン、ブルーギルは駆除済み。現在もミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニなどの外来種の生息が確認されているほか、モツゴやスジエビなどの小型在来種も生息している。今後の課題は「池の構造や水質を改善し、水生植物の生育範囲を増やして魚類等の生息環境を向上させることが大切」と、かい掘り指導に当たるNPO法人「生態工房」の佐藤方博さんは話す。

 イベントではボランティアリーダーを中心に市民ボランティアが池の中の魚類等を捕獲し、種類ごとに仕分けをして水槽で展示するほか、埼玉県SDGs官民連携プラットフォーム参加企業や地元企業・団体などがブースやキッチンカーを出店する。

 公園スタジアム課の高桑良輔さんは「かい掘り実施後も県と市民の協働によって継続的に水辺を再生し、ゆくゆくは貸しボート事業を復活して舟遊池を中心としたにぎわいを創り出していきたい。『大掻掘まつり』に来ていただけたら」と呼びかける。

 実施時間は、3日=9時30分~15時頃、4日=14時頃まで。見学自由。荒天中止。両日共、「おさかな捕獲」=10時~12時頃、「いきもの展示」=10時30分~終了時刻。

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