アライグマや強毒ヒアリ…まちに潜む外来生物知って 全国初、常設の展示センター開設へ 神戸・長田

 神戸市は、アライグマや強い毒を持つヒアリなど、市内で確認された外来生物を紹介する「外来生物展示センター」を、苅藻島クリーンセンター(同市長田区苅藻島町3)内に21日開設する。生きた個体や剥製、標本を集める予定で、市の担当者は「見学者に自分ごととして外来生物問題を考えてもらう施設になれば」と期待する。(名倉あかり)

 畑を荒らしたり在来種を食べたりするなどして生態系に深刻な影響を与える外来生物。市内ではこれまで、アライグマのほかヌートリア、アカミミガメなどが確認されてきた。

 展示センターの開設は、市民らに神戸の生物多様性の脅威となっている外来生物について知り、考えてもらおうと企画。市によると、外来生物に特化した常設の施設は全国の自治体で初めてという。

 展示は、かつては焼却が行われ、現在はごみを運ぶ中継施設となっているクリーンセンター内の空きスペースを活用する。21日に約60平方メートルの生物飼育棟が完成し、来年2月ごろには約280平方メートルの展示ホールが公開される。

 アライグマの剥製やヒアリのレプリカ、本物のアカミミガメ、アメリカザリガニなど20~30種類を展示予定。専門スタッフが人間の行動で外来種を定着させてきた経緯などを解説するという。

 21日午前11時~午後2時は、オープンを記念したイベントを開催。「さかな芸人ハットリ」さんによるトークショーやビンゴゲーム、アメリカザリガニを使った料理などを楽しめる。参加無料で、先着70人を募っている(小中学生以下は保護者同伴)。

 オープン後は、27日以降の毎週土、日曜日午前11時~午後5時に開館。1日最大60人を予約で受け付ける。入館無料。最寄り駅は市営地下鉄海岸線の苅藻駅。21日のイベントや入館の予約、問い合わせは外来生物展示センターホームページから。

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