成田空港がカメ144匹捕獲 昨年9月に滑走路侵入、離陸遅れるトラブル 再発防止へ滑走路近くの池で

 成田空港で昨年9月、滑走路にカメが侵入し航空機の離陸が遅れた問題で、成田国際空港会社(NAA)は9日、再発防止にむけて周辺の調整池や水路計7カ所で行っているカメの捕獲作業を公開した。同日までに罠(わな)にかかるなどした144匹を捕獲。約9割が外来種のアカミミガメだった。

カメの甲羅がエンジンなどに入るとトラブルの原因となる恐れがあり、NAAは今年4月下旬に捕獲作業に着手。餌でカメをおびき寄せて網に閉じ込める罠を140地点に設置し、回収と再設置を繰り返している。作業は10月まで続ける。

 同日はカメの生態に詳しいNPO法人「生態工房」の片岡友美理事長(49)らが池に沈めた罠を引き上げ、アカミミガメ7匹とクサガメ1匹を捕獲。いずれも体長20センチ前後の一般的なサイズだった。

 これまで、日光浴に来たカメを網に落とす罠の設置や地上を歩くカメの手捕りも実施。アカミミガメを133匹捕まえており、7割近くが昨年9月にカメが発見された滑走路に面する池に生息していた。在来種のニホンイシガメとスッポンも数匹見つかった。

 片岡理事長は「滑走路周辺の池はカメの餌となる水生植物が豊富で繁殖しやすい環境。数百匹はいるはず」と分析。NAA滑走路保全部の白井聡マネジャー(46)は「安全運航に向けて確実に個体数を減らし、実態調査を進めたい」と話した。

 NAAによると、2013年度以降、滑走路や誘導路にカメ11匹が侵入。今年も2匹見つかった。

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