外来種のウシガエル「捕まえて食べてやる」 意気込んだ中学生、持ち帰ったのはまさかの希少種

 森の中に生息し、兵庫県内での絶滅が危惧されている希少種・モリアオガエルの生体が、同県多可町中区の「なか・やちよの森公園」で発見された。見つけたのは、職業体験で訪れた中学生。藤浦薫事務局長は「豊かな自然を感じてもらう絶好の機会になったのでは」と目を細める。

 日本固有種のモリアオガエルは森林を中心に生息し、繁殖期の4~7月に湖や湿地で泡状の卵塊を産む。同県版レッドデータブックでは「絶滅の危機が増大している種」とされるBランクに分類されている。

 同園には5月31日からの5日間、トライやる・ウィークで近くの八千代中から2年生8人が訪れ、生物調査や園内整備の補助に携わった。中学生は園内のビオトープで、外来種のウシガエルが他の生物を食い荒らしていることを職員から聞き、捕獲に挑戦。食用と知って「捕まえて食べてやる」と意気込み、捕まえたのがモリアオガエルだったという。

 ウシガエルと思い込み、意気揚々と帰ってきた中学生に驚いたのは園の職員。「それ、珍しいやつ!」と生徒に説明。モリアオガエルは体長10センチほどのオスで、産卵に来ていたメスに近づこうとしていたとみられる。藤浦事務局長は「産卵は夜なので、生体が見られることは少ない」と目を丸くし、数日間飼育した後、ビオトープに放流した。

 ちなみに職業体験の中学生はその後、無事にウシガエルを捕らえて食べたという。(伊田雄馬)

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