北海道では駆除対象の外来ガエルに「救心」の主成分 製薬会社が深川で採取し研究

 【深川】気付け薬などで知られる救心製薬(東京)は、深川市で大量発生している道指定の国内外来種アズマヒキガエルの分泌液を主力商品「救心」の主原料にする研究を進めている。現在は全量を中国からの輸入に頼っており、本州では絶滅危惧種に指定されていることから、「邪魔者扱い」されている道内に目を付けた。

 救心の主成分「センソ」は、いわゆる「ガマの油」で、アジアヒキガエルなどの耳下腺の分泌液を乾燥させたもの。カエル1匹から約50ミリグラムの液体で採取でき、人間が触れるとしびれるなど毒性を持つ。強心ステロイド成分を含み、心筋の収縮力を高め血液循環を良くするなどの効果がある。

 国際情勢の変化などで輸入できなくなった場合に備え、同社は国内産への代替を検討。ところが本州では絶滅危惧種に指定されたり、採取の許可が必要だったりと大量確保が難しい。

 一方、道内ではアズマヒキガエルはもともと生息していなかった国内外来種で、深川では1970年代に持ち込まれたとみられる。毒に免疫のない道内固有のカエルやサンショウウオへの影響が懸念されており、駆除の対象となっている。

 同社の研究員が深川市内でカエル駆除をしている「深川ひきがえるバスターズ」をインターネットで見つけ、2016年から連携。同社東京研究所の清水康晴所長が深川を訪れ、バスターズが捕獲したカエルから分泌液を手作業で採取して分析するなどの研究を進めている。

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