ミドリガメ大量繁殖…1年で2300匹駆除 改正外来生物法は「中途半端」 地元団体は不安

外来種・ミシシッピアカミミガメ、いわゆる「ミドリガメ」。 島根県松江市内でも大量に繁殖し、問題となっています。 5月、「ミドリガメ」などへの対策として改正外来生物法が国会で可決、成立しましたが、関係者は不安の声を漏らします。なぜなのでしょうか。

「ヨイショ、わ、大きい!」

島根県松江市内を流れる川で捕まえられたのは、首の赤い模様が特徴的な外来種「ミシシッピアカミミガメ」。いわゆるミドリガメです。

今、市内の多くの川で確認されています。 在来種の生態系に大きな影響を与えると、専門家も指摘する厄介者です。

宍道湖自然館ゴビウス 中野浩史さん 「元々すんでいた生き物にとっては、よく似た生活をする外来の生き物は脅威でしかありません。長生きもするし、大きくもなる可能性を秘めた種類です」

さらに驚くのは、その繁殖力の強さです。

畑の持ち主 「卵が孵化して、土の中にいるやつが畑を耕すと出てくるんです。数が年々増えているので恐ろしいです、心配」

川のそばにある畑では、今年、生まれたばかりのミドリガメの子ガメが、大量に確認されていました。  

まつえワニの会 遠藤修一 代表 「外来種のアカミミガメ、アメリカザリガニ、ブルーギルを全部捕らないと、減らしていかないと在来種が戻ってきません」

遠藤修一さんは、ボランティアでミドリガメなど外来種の駆除活動を行っています。 活動メンバーは、堀川遊覧船の現役船頭やOBが中心で、去年は2300匹を超える数を回収しました。

仕掛けには在来種もかかります。

「これイシガメ、珍しいです。これがいないんですよ。そしてこれがクサガメです」 Q本来は居て良いカメ?

「居て良いカメです」 遠藤さんらの活動もあってか、今年は仕掛けた網の中に、在来種のカメなどがかかることも増えつつあります。

在来種は川へ戻します。

しかしミシシッピアカミミガメについては…

まつえワニの会 遠藤修一 代表 「僕らからするとあまり飼ってほしくないと思いますね。こんな大きくなって、どうやって飼うんですか?こうなっちゃうと川に逃がしちゃうんですよ」

まつえワニの会 小草一政さん 「法改正は中途半端だと思います。基本的には反対です」

ミドリガメのペット飼育は容認

会が懸念しているのが今回の法改正です。

環境省によると、5月に国会で可決した改正外来生物法では、ミドリガメへの規制を強化する一方、すでに家庭で飼育されているミドリガメの遺棄を防ぐため、販売目的でない個人での飼育は容認することになったのです。

遠藤さんらは「中途半端」だとして、ペットのミドリガメが川に捨てられ、繁殖することを心配しています。

まつえワニの会 遠藤修一 代表 「飼うなとは言いませんけど、最後まで飼って欲しいです。最後までね、お願いしたいですね」

まつえワニの会の駆除活動は10月末まで、ほぼ毎日行なわれます。

法改正によって飼い主のモラルが、より問われることになりそうです。

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