福井県の湖で12年ぶりにソウギョ見つかる 若狭町の三方湖、ベテラン漁師が捕獲

 中国原産の淡水魚ソウギョが1月25日、福井県若狭町の三方湖で生きたまま捕獲された。体長1メートル10センチ、重さ約20キロで、12年前にも一度見つかったことがあるという。

 ソウギョはコイ科で中国では養殖が盛んな食用魚。水草を大量に食べることから、ヒシが繁殖した1968、69年に地元の鳥浜漁協が計約4千匹を三方湖に放流した。放流当初はよく捕れたというが、近年はめったに捕獲されないという。

 福井県里山里海湖研究所の宮本康研究員(53)によると、エサとなる水草はコイやフナの産卵場所で、ソウギョの数が多ければ悪影響を及ぼす可能性があるという。ただ、寿命は15~20年と短く、国内では関東の利根川水系など限られた場所でしか繁殖できないため、「深刻なダメージは受けていないはず。今回の個体は50年以上生きたのか、湖内で繁殖したのかよく分からない」と話していた。

 捕ったのは鳥浜漁協のベテラン漁師、吉田良三さん(81)で、たたき網漁で網に掛かったという。「コイとは違いぐっと引っ張られる感覚だった」と振り返る。漁師歴56年で30代のころはよく捕っていたといい「久々に合って懐かしかったよ」と話していた。

 ソウギョは同日、福井県海浜自然センター(2月末まで臨時休館)に運ばれた。生きていれば3月以降に展示するという。

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