「シラウオの行方」アピールへ、AIで鮮度判定

 茨城県行方(なめがた)市は、同市産シラウオの鮮度を人工知能(AI)で判定する試みを始める。鮮度を客観的に示すことで顧客の信頼を得て、ブランド化や高値での取引につなげる狙いだ。漁師による鮮度判定データをAIに蓄積させ、来年夏以降の運用開始を目指す。

 「霞ヶ浦シラウオ×AIプロジェクト」と銘打ち、東京のコンサルティング会社「ima(アイマ)」と共同で実施する。遮光を目的とした箱型の装置にシラウオを入れ、カメラで撮影した映像で鮮度を判断する。瞬時に判定できるため、朝捕れたシラウオをその日のうちに、東京都内の高級料理店に配送できるという。

 アイマの三浦亜美代表(36)は、同県つくば市在住。昨年夏、霞ヶ浦で捕れたシラウオのおいしさに感動した。「都内なら高級食材としての需要は手堅い」と直感し、AIの活用で付加価値を高める案を市に伝えた。

 霞ヶ浦産の魚を取引対象とした魚市場はなく、シラウオは他県産に比べて格安で取引されている。市内では、漁業者の高齢化や担い手不足も深刻だ。市は、こうした課題を解決できる可能性があるとみて、三浦さんの提案に賛同した。

 行方市の鈴木周也市長は「行方の漁業を持続させたい。生食が可能なシラウオは、東京への距離の近さを強みにできる」と期待している。

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