生態系に悪影響、駆除のウチダザリガニを料理に 道東の厚岸翔洋高生が研究

別寒辺牛湿原に生息の特定外来種
 【厚岸】厚岸翔洋高3年生の3人が、町内の別寒辺牛湿原を流れる河川で繁殖する特定外来種ウチダザリガニを使った料理の研究開発に乗り出した。生態系に悪影響を与えるため駆除されるザリガニを、きれいな水を入れた水槽で飼うことで泥臭さを抜いて食材への活用を目指す。

 町によると、ウチダザリガニは1930年代に食用として道内に輸入されて広がり、別寒辺牛湿原では2015年に多くの生息が確認された。シシャモの卵を食べたり、水草を切ったりするため駆除を進めており、昨年は同湿原内3カ所で369キロを捕獲し、肥料として牧草地にまいた。欧州では高級食材だが、町環境林務課は「川底の落ち葉やドロを食べて育つため、臭くて食用にならない」という。

臭み除去へ水槽飼育

 3人は海洋資源科調理コースの佐藤紗雪さん(17)、裏地雅斗さん(17)、石井翔貴さん(18)。食材への利用は、佐藤さんが課題研究のテーマとして発案。佐藤さんは鶴居村出身で「小学生の時、村内のきれいな川で駆除したザリガニを食べたらおいしかった」という。課題研究は3年生3人がチームを組み、20日の校内選考を経て11月の道高校水産クラブ研究発表大会(道高校水産クラブ連盟主催)出場を目指す。

 食材調達は9月3日に開始。別寒辺牛川で捕獲した15センチほどの「大物」24匹を選んだ佐藤さんは「中華にはザリガニ料理がある。臭みが抜ければ、和食にもアレンジできる」と話す。チームメートの裏地さんは「エビみたいな味なら、(フランス料理の)ビスク風スープがおいしそう。ソースにしてもいい」と意欲を燃やす。

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