鹿児島県の県道名瀬瀬戸内線宮古崎トンネルの施工業者らでつくる「宮古崎トンネル安全協議会」は30日、奄美市名瀬小宿の河川で特定外来生物「ボタンウキクサ」を駆除した。参加者16人が環境省に指導を仰ぎながら、90リットルのごみ袋150袋分を駆除。地元の生態系保護に一役買った。
ボタンウキクサはアフリカ原産の浮遊性植物。「ウオーターレタス」とも呼ばれ、観賞用として導入されたものの繁殖力が強く、水面を覆い尽くして在来種を排除するため、環境省が2006年に特定外来生物に指定。栽培や販売、野外に放つことを禁じ、違反者には罰則を科している。
環境省職員は「ものすごいスピードでどこまでも増える植物。完全な駆除には継続的な作業が必要だ」など指導した。参加者らは、再繁殖する葉や種を落とさないように慎重にボタンウキクサを水面から取り除いて袋詰め。名瀬クリンセンターでは焼却を確認し、5時間を超える作業を終えた。
村上建設(株)の里山昇一工事主任は「工事で迷惑をお掛けする中、少しでも地域に役立てればと取り組んだ。(トンネルの)今年度内の開通に向けて頑張りたい」と話した。
なおこの日は、大和村国直の神社付近、奄美市名瀬の根瀬部トンネル付近でも草刈りや清掃作業を行った。