大量の水草、今年も川に異常繁殖 昨年1千万円かけ除去したのに

 見渡す限り、どこまでも続く緑。高松市東部を流れる春日川が大量の水草に覆われている。昨年も水草が異常繁殖し、香川県が約1千万円の費用をかけて除去したが、今年は別の水草が大繁殖。頭を抱えながら、再び除去作業に追われている。

 今年増えているのは、一年生の水草・ヒシ。水面に葉を浮かべ、根を川底まで長く伸ばすのが特徴だ。とがった堅い実は、忍者が追っ手にばらまく「まきびし」の原型としても知られる。

 高松土木事務所によると、ヒシは河口から6キロほど上流の一帯、約5・5キロにわたって断続的に水面を覆っている。6月ごろから増え始め、数十メートルある川幅を覆い隠すほどになった。

 昨年は南米原産の水草、ホテイアオイが同じ川面を緑一色にした。除去した結果、今年は入れ替わるように在来種のヒシが大量繁殖した。どちらも葉が水面を覆い尽くすため、日光が遮られ、水中の酸素量が減って魚などがすみにくくなる可能性がある。

 県は9月から、ショベルカーやボートを使って水草を陸に引っ張り上げ、少しずつ取り除いている。ヒシの除去は初めてだが、在来種のため、全部取り除かずに残す。一方の外来種のホテイアオイも今年も一部で繁殖しているため、優先的に除去するという。作業は1カ月ほど続き、費用も昨年と同じ1千万円程度かかる見込みだ。

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