クビアカツヤカミキリ駆除促進に商品券 行田市、成虫10匹で500円分

 桃や桜の木を食害する特定外来生物のクビアカツヤカミキリ=写真、埼玉県環境科学国際センター提供。駆除を進めるため埼玉県行田市は、捕殺数に応じて市民に商品券を贈る事業を始めた。県内では初めて。「市民に協力してもらい、被害を食い止めたい」と強調する。

 クビアカツヤカミキリは光沢のある黒色で前胸背板は明赤色。成虫の体長は2・5~4センチ。原産は中国や朝鮮半島、ベトナムなど。桜や桃、梅、スモモなどの木の中に幼虫が入り内部を食い荒らす。

 国内では愛知県で2012年以降、各地で確認されている。埼玉県では13年、行田市では17年に初めて確認された。市内での捕殺数は、17年度の10匹から20年度は208匹へと急増している。

 市は駆除に向けて、7月から市民を対象とした新たな事業に着手した。市内で捕殺した成虫10匹を密封できる透明のビニール袋に入れて市環境課に持参する。身分証明書を示すと後日、1枚500円の市内商店共通の商品券が郵送される仕組みだ。ただ、クビアカツヤカミキリは生きたままの移動は法律で禁止されている。踏みつけるなどして死がいにする必要がある。  期間は成虫の活動が終わる9月末まで。市は今年度予算に1500匹分の7万5000円を計上した。予算額に達した場合は受け付けを終了する。

 すでに市民から問い合わせがある。同課の野中豊さんは「クビアカツヤカミキリに関心をもってもらい、一匹でも多く駆除したい」と話す。

 行田市が参考としたのは群馬県館林市だ。19年度に成虫1匹につき50円か飲料水を贈る「クビアカツヤカミキリ撲滅プロジェクト」を開始。20年度までの2年間で1万2000匹の死がいを集めた。今年度もすでに2000匹を捕殺。「市民に口コミで制度が浸透し駆除に有効だ」(市地球環境課)とみる。

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