魚食べて耳石ゲット! 石川県漁協が普及活動

 石川県漁協は、魚の種類によってさまざまな色や形、大きさがある「耳石(じせき)」を集めることで、子どもたちに魚食を普及させる活動に取り組んでいる。食生活の変化で魚離れが進む中、いろんな魚料理を食べて「宝探し」をする感覚で耳石を収集し、身は残さず食べるよう指導する。14日は金沢市の県水産会館で食育リーダー向けの講習会が開かれ、栄養士や保育士ら約30人が耳石について学んだ。


 耳石は、脊椎動物の内耳にある炭酸カルシウムの結晶で、平衡感覚を保つ役割を担う。魚は同じ種類でも水温などによって模様が変わる。タラやメダイは貝殻のような形状で1センチ程度あるのに対し、フグは1ミリに満たない。
 県漁協ではこれまで、授業形式で魚食を推進してきたが、具体的な効果がつかめなかった。このため、食べた魚の数や種類を「見える化」できる耳石収集の体験型講座を新設した。
 県漁協は小学校などで出前教室を開き、受講後に50種類以上の耳石を集めた小学生がいるなど反響が大きいという。耳石をビーズなどと一緒に固めたアクセサリーも女児に人気となっている。
 14日のセミナーでは、耳石取りを魚食普及に生かす活動を全国に広めている中部水産(名古屋市)の神谷友成顧問が講師を務めた。参加者はアジやカタクチイワシの煮干しを使って1ミリほどの耳石を取り出す作業を体験した。生きたタコの解体、イカの生態を解説する講習もあった。
+Yahoo!ニュース-地域-北國新聞社