2005年06月25日

ニュースBOX:郡山「五十鈴湖」でKHV感染 コイ以外の生物救って /福島

 ◇「水抜くなら事前捕獲を」−−保護団体の要望に市苦慮
 郡山市民の憩いの場、開成山公園内の池「五十鈴湖(いすずこ)」のコイが、コイヘルペスウイルス(KHV)に感染し、被害拡大を食い止めるため数千匹と言われる池のコイがすべて焼却処分されることになった。池には他の生物も多数生息し、自然保護団体からは「コイ捕獲のため池の水を抜くならば、事前にコイ以外の生物を捕獲してほしい」と配慮を望む声が上がっており、市は対応に苦慮している。【福沢光一】

 23日昼、池のコイに娘と一緒に餌を与えていた同市の女性(35)は「すべてのコイが処分されると聞き、お別れに来ました。娘には『病気にかかったので、いなくなるんだよ』と説明している」と話した。別の男性は「本当に感染したのか、もっと調べるべきだ。ここのコイは市民に長年親しまれてきた。簡単に殺すべきではない」と怒っている。
 管理する同市公園緑地課によると、池は面積約3万平方メートル。1882(明治15)年、かんがい用池として誕生し、120年以上の歴史がある。
 これまで池の水をすべて抜いた正確な記録はなく、同課は「コイが何匹生息しているか分からない」としている。
 コイが死んでいるのが発見されたのは6月中旬。3匹の検体を調べたところ、22日にKHV感染が確定し、県は同日、池のすべてのコイの焼却処分を市に要請した。
 同課が頭を痛めているのは1匹残さず捕獲するには池の水を全量抜くのが最適だが、コイ以外の生物も一緒に死ぬ可能性が高いこと。十文字泰市・課長は「コイすべてを捕獲するため、池の水を全量抜き、その後池を太陽光で消毒する方法を考えているが、他の生物に被害が出る可能性がある」として対応を決めかねている。
 一方、市民団体「県自然保護協会」の横田清美理事は「池にはミズカマキリやトンボの幼虫のヤゴなど多数の水生生物が生息する。それらを捕獲せずに水を全量抜くのは殺すのと等しい行為で問題がある。ブラックバスを捕獲する時のように、事前に他の生物は捕獲し守るべきだ」と捕獲方法に配慮を求めている。
 市は来週にも処分方法を決めるが、感染拡大防止と自然保護のはざまで難しい選択を迫られている。

(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年06月25日 18:26 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連

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