宮城県内屈指のブラックバスの釣り場である石巻市針岡の富士沼で、遊漁客が激減している。県内水面漁場管理委員会が昨年5月、湖沼や河川の在来魚を守ろうと、魚食性の強い外来魚のバスについて、釣った後に再び水域に戻す再放流(リリース)を禁止しており、地元はその影響と受け止めている。
富士沼や北上川の遊漁区域を管理する北上追波漁協が販売する遊漁券(1日700円)購入者は、2003年度の約600人に対し、04年度は126人だった。
漁協の高橋一夫事務長は「以前は年数回、釣具店主催のバス釣り大会が開かれたが、昨年5月以降はない」と話す。
漁協は管理委員会の決定を受け、再放流禁止の啓発に着手。釣り客用の駐車場の近くに魚を入れる「いけす」を設け、持ち帰らないバスを入れるように呼び掛けた。
しかし、漁協組合員の男性は「依然として、沼に逃がす釣り客を見かける」と言う。規制強化が釣り客離れにつながった上、再放流禁止措置を守らない客がいる現状に、漁協は頭を痛めている。
富士沼はかつて、ワカサギやコイ、フナの豊かな漁場だったが、地元の人たちは「ここ数年間でめっきり見かけなくなった」と話し、バスとの因果関係を指摘する声もある。
管理委員会の「指示」によると、違反常習者には委員会が知事に改善命令を出すよう求め、命令に背いた場合は、漁業法に基づいて1年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。
(河北新報)
Posted by DODGE at 2005年05月16日 10:05 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連