basswave短期集中レポート
バスマスタークラシックへの「もうひとつの道」
日本人初となる大森貴洋の優勝で幕を閉じた昨年のBASSバスマスタークラシック。
トーナメントアングラーであれば、誰もがこのクラシックを夢見ることだろう。
私たち日本人にとってあまりにも遠いクラシックへの道だが、実は日本にいながらにして出場権を得る道も存在している。
それが、フェデレーション・チャンピオンシップだ。
PART 1:参戦直前の佐藤義和さんにインタビュー
フェデレーション・チャンピオンシップとは?
フェデレーション・チャンピオンシップ(正式名称はCITGO BASS Federation Championship)とは、簡単にいってしまえば「BASSのアマチュア部門世界一決定戦」である。BASSといえばプロトーナメントを運営する組織というイメージが強いが、プロトーナメントの運営がBASSのすべてではない。BASSにはアマチュアアングラーの組織として、フェデレーションおよびインターナショナル・フェデレーションと呼ばれる連盟が存在しているのだ。
1956年3月15日東京生まれ。22歳のころからバスフィッシングを始め、B.A.S.S. of JAPANやW.B.S.などに出場。一見恐そうな容姿から“ウラバン”というニックネームで呼ばれるが、家庭では二人の娘の優しいパパである。ショーナンバスマスターズ所属。スポンサー:アングラーズリパブリック、ヘリーハンセン
今年、このフェデレーション・チャンピオンシップに挑むことになったのが佐藤義和さんだ。佐藤さんは2004年のB.A.S.S. of JAPANアングラーオブザイヤーということになるわけだが、今回はこの佐藤さんにインタビューをお願いした。まずはBASSのフェデレーションについて紹介される機会が少ないため、B.A.S.S. of JAPANのトーナメントやアングラーオブザイヤー決定方法などについて語っていただいた。
−B.A.S.S. of JAPANのトーナメントは、年間で何試合開催されていますか?
佐藤:B.A.S.S. of JAPANは西と東、ウエスタンとイースタンという2つのディビジョンに分けられています。このディビジョンはそれぞれ複数のクラブで構成されているんですが、各ディビジョンで5戦ずつのトーナメントを開催しています。この中の1戦はウエスタンとイースタン両方のディビジョンが合同というかたちになります。そして、やはり合同で開催されるクラシックが1戦。私はイースタンディビジョンに出場しましたが、クラシックを含めれば年間6戦ということになります。
−ディビジョンが2つということは、アングラーオブザイヤーはどのように決定するのでしょうか。
佐藤:まずは東西それぞれのディビジョンからトータルウエイトのトップが1人ずつ決まります。そして、この2人のうち、合同で開催されるトーナメントとクラシックの合計ウエイトが重いほうがアングラーオブザイヤーということになるんです。
−佐藤さんはイースタンディビジョンに出場されていましたが、昨年のトーナメント会場はどこだったのでしょうか。
佐藤:第1戦が山中湖、第2戦が野尻湖、第3戦が桧原湖、第4戦が亀山湖、第5戦が西湖で開催されまして、第2戦がウエスタンディビジョンとの合同開催です。クラシックの会場は芦ノ湖でした。
−その中でアングラーオブザイヤーを獲得されたということですが、佐藤さんは以前W.B.S.にも出場していました。B.A.S.S. of JAPANが他のトーナメント団体と異なるところはありますか?
佐藤:実は少し前に体調を崩しまして、現在W.B.S.はお休みしている状態なんですよ。バスフィッシング、そしてトーナメントが好きなアングラーの集まりですから、B.A.S.S. of JAPANが他と大きく違うということはありません。ただし、入会するには会員の推薦などが必要なので、知らない方には敷居が高く感じられるかもしれませんね。また、環境への配慮からトーナメントは二人乗りのスタイルで、バーブつきフックや鉛製のシンカー、必要以上のライトラインの使用を禁止しているなど、レギュレーションは他の団体より厳しいといえるでしょう。
−今年のフェデレーション・チャンピオンシップは、大会方式がこれまでとは違っています。昨年までは3日間でしたが、今年は2日間の予選をレイク・トホで行ない、決勝ラウンドの2日間を他のレイク(ウォルト・ディズニー・ワールド内にあるベイ・レイク)で行なう方法になりました。これに関してはどう思いますか?
佐藤:B.A.S.S. of JAPANのトーナメントはすべてワンデイですし、W.B.S.もスーパースリーデイズなどの特殊なものを除けば2日間の大会ですよね。つまり、3日間のトーナメントというものはあまり経験がないんです。そういう意味では、私自身にとっては2日間の大会を2回という感覚ですから、3日間の大会よりもやりやすいと思っています。
−決勝ラウンドは15名で競われるんですよね?
佐藤:そうです。日本にイースタンとウエスタンがあるように、アメリカでもディビジョンはウエスタン、セントラル、ノーザン、サザン、イースタンの5つに分けられているんです。日本はウエスタンに属していまして、決勝ラウンドに進出するには、ウエスタンのアングラーの中でまず上位3名以内に入らなくてはなりません。そして、決勝ラウンドの各ディビジョン1位、計5名がクラシック出場権を得るんです。
−つまり、優勝しなくてもクラシック出場権は得られることになりますね。
佐藤:そうです。極端な話ですが、決勝で13位だったとしても、14位と15位のアングラーがウエスタンディビジョンだったらクラシックに出られます。逆に、準優勝だったとしても優勝したアングラーがウエスタンのアングラーならダメということです。
−これまで、フェデレーション・チャンピオンシップからクラシックに出場した日本人は残念ながらいませんが、抱負を聞かせてください。
佐藤:フェデレーション・チャンピオンシップ出場の経験がある築山滋君や、アメリカでの経験がある西村嘉高君、それとF.L.W.に出場している古沢勝利君など、いろいろな方が情報をくれました。レイクマップはbasswaveから提供してもらいましたし(笑)、とりあえずイメージトレーニングはしています。なにしろアメリカは初めてですし、英語も得意ではないので不安要素はありますが……バスが英語を話すワケではありませんからね(笑)。とにかく悔いのないように、クラシック出場を目指して全力で臨みたいと思っています。
basswaveでは、このフェデレーション・チャンピオンシップのもようを現地からレポートする予定になっている。日本代表、佐藤さんをぜひ応援してほしい。
なお、B.A.S.S. of JAPANには現在公式サイトがないが、会員であるyasuu!さんのサイト“バスオブジャパン親睦応援サイト”にはB.A.S.S. of JAPAN公認ページとしてさまざまな情報がアップされている。
+バスオブジャパン親睦応援サイト
+PART 1:参戦直前の佐藤義和さんにインタビュー
+PART 2:本戦直前プラクティス
+PART 3:トーナメント初日
+PART 4:トーナメント2日め
+PART 5:トーナメント3日め
+PART 6:トーナメント最終日
+PART 7:最終話