2005年05月12日

Another road to the CLASSIC:PART 7

basswave短期集中レポート

Another road to the CLASSIC
バスマスタークラシックへの「もうひとつの道」

エド・コーエンの優勝で幕を閉じたBASSフェデレーション・チャンピオンシップ。日本代表としてフロリダに乗り込んだ佐藤義和さんだったが、残念ながら予選ラウンドを通過できず2日間で大会を終えるという結果となった。初めてのフェデレーション・チャンピオンシップ、そして初めてのアメリカ釣行で佐藤さんはどんなことを感じたのだろうか(最終回につき、プレゼントあり)。

PART 7:目標は達成できずも、収穫は多し

家族が精神的な支えとなった初のアメリカ釣行

 フロリダ州レイク・トホで開催されたBASSフェデレーション・チャンピオンシップの予選ラウンド。佐藤義和さんは初日3尾、2日め1尾でトータルウエイト6Lb11oz、55名の参加者中50位という結果に終わってしまった。この結果、ウエスタンディビジョンでは9位となり、残念ながらベイ・レイクで開催される決勝ラウンドへは進むことができなかった。これにより、決勝ラウンドの2日間は観客席からウエイインを眺めることになったのだが、その表情は意外にもすがすがしいものだった。

予選ラウンド2日め、スピナーベイトに待望のバイト。しかし、この魚が今回のトーナメントにおける最後の1尾となってしまった

 「決勝に残ることができなかった自分の不甲斐なさに対して悔しい気持ちはありますが、自分なりにやれることはすべてやったという気持ちのほうが大きいですね。釣りに関して『あれをやればよかった』なんて言いはじめるとキリがないですし、それはあくまで結果論。ただ、初日の朝イチ、2バイトを連続で取れなかったことが唯一の心残りですね。あれが取れていればリズムに乗れたのかな……とは思いますけど、それで決勝に残れたとは思いません。トーナメントは結果がすべてですから、これが今の自分の実力ということですよ。なにしろアメリカでの釣りは初めてでしたし、今回はそんな中でさまざまな経験ができてよかったと思っています」。

(写真上)今回は家族と一緒だったので、精神的には楽だったという佐藤さん。ダウンタウン・ディズニーでは家族で団欒する姿が見られた。(写真下)ニューヨークに住む知人も応援にかけつけた。応援には応えられなかったが、家族たちとディズニーワールドを楽しんでいたようだ

 今回、佐藤さんは奥さんと二人の娘を帯同して大会に臨んでいた。当初は単身での参戦を考えていたというが、家族がいたことで精神的に救われたことも多かったという。
 「家族がいると余計な気遣いも増えるので悩んでいたんですが……話によると、家族連れで参加しているアングラーが多いということでしたので。普段は釣りで家を空けてしまうことが多いですし、ディズニーワールドも近いので家族サービスにもなると思ったんです(笑)。なにしろスケジュールがタイトですし、時差ボケもあるので体力的にキツかったんですが、家族がそばにいてくれたのは心強かったですよ。たぶん、一人で来ていたら釣りのことで頭がテンパっちゃってたんじゃないですかね」。

「バスはバス」を再確認したレイク・トホ

 今回、プラクティスと予選ラウンドで3日間レイク・トホで釣りをしたわけだが、もっとも強く感じたのは「場所は変わってもバスはバス」ということだったという。
 「BASSで最大ウエイトが記録されている場所ですし、フロリダといえばビッグフィッシュというイメージが強いじゃないですか。もちろんデカい魚はいるんでしょうけど、今回に関していえばアフタースポーンのシーズンで、10Lbオーバーの魚なんて1尾も釣れてませんでしたよね。今回の大会だけを見ればウエイト的に琵琶湖と大差ないわけで、自分の中でフロリダというフィールドを特別に考え過ぎてしまった気がします。どんな場所であれバスはバスなんだと思いました。
予選が終わった日にエド・コーエンと話をしたんですが、彼もニュージャージーからの参加で、フロリダでの経験は乏しい。なんでそんないいウエイトが出せるんだと聞いたら、『場所がどこでもバスフィッシングの基本は変わらない』と言われました。自分のパターンを話したら『お前は考えすぎなんだよ。バスは本能に従って生活してるだけで、人間が考えてるほど頭のいい動物じゃない。ここはカバーが多いから惑わされるアングラーが多いけど、典型的なナチュラルレイクなんだから地形を見ればバスの居場所は簡単に分かるはずだ』と。簡単に分かったら苦労はないんですけど、『考えすぎ』という言葉には納得しました。実は、ずいぶん前に同じセリフを吉田幸二さんに言われたことがあるんです。まさかアメリカで同じことを言われるとは(笑)」。

仲間たちとの出会いと新たな挑戦

 このフェデレーション・チャンピオンシップは、全米および海外のアングラーが一堂に介してクラシックへの切符を競う場だ。参加するアングラーたちはアマチュアとはいえ厳しい地区予選を勝ち抜いてきた猛者であり、クラシックという夢舞台に対するモチベーションも高い。ともすればライバル心むき出しの大会となってしまいそうだが、参加しているアングラーたちは実にフレンドリーだった。これはプロトーナメントとは少々違った雰囲気だったといえるだろう。
 「クラシックがかかってますから、トーナメントそのものに対してはみんな真剣でした。でも、みんなフェデレーション・チャンピオンシップというお祭りを楽しんでいる感じでしたね。それに、私はウエスタンディビジョンだったんですが、別のディビジョンのアングラーだと『一緒にクラシックに行こうぜ』という感じで接してくれる人が多かったです。エド・コーエンもそうでしたし、サウスキャロライナのジェフ・ヘイガーも、どんなルアーがいいとか、ホテルでもいろいろ話かけてくれました。それだけに、彼がクラシックに行けたのは嬉しく思いました。イタリアのフランコ・マンチーニも私と同じような境遇だったので、いろいろ話をしました。

(写真上)最終日にはレセプションパーティーが開催された。左端はイタリアから参戦していたフランコ・マンチーニ。来年の再会を誓いあった。 (写真下)かつてBasser誌で連載をしていたハーレー・スミスさんも応援にかけつけたのだが、時すでに遅し。「来年も来てください!」と激励されていた
 ひとつだけ残念だったのは、もっとみんなとコミュニケーションをとりたかったということです。相手が言っていることはある程度理解できるんですが、なかなか英語が出てこなくて……釣りより、こっちのほうが悔しかったかもしれません(笑)」。そんな佐藤さんが帰国したのは5月4日。アメリカ国内線の機材故障のため予定が1日ずれてしまったが、佐藤さんはアメリカの思い出に浸る間もなくB.A.S.S. of JAPANイースタンディビジョン第2戦に出場するため、8日には高滝湖の湖上にいた。当然のことながらプラクティスなしで臨んだこの第2戦で佐藤さんは見事準優勝。現在はイースタンディビジョン年間成績でも2位につけている。
 「残りは3戦あるんですが、年間1位を獲得するのは簡単じゃありません。フェデレーション・チャンピオンシップに出るのはメンバー全員の目標ですからね。でも、今回アメリカのフェデレーション・チャンピオンシップに出場したことで、モチベーションがさらに高まりました。今回の経験をいかすためにも、ぜひまた来年チャレンジしたいですね。高滝湖で『アメリカでは来年に向けてのプラクティスをしてきた』と話したら、B.A.S.S. of JAPANのみんなからヒンシュクをかいましたけど(笑)」。
 

佐藤義和さんからのお土産プレゼント! フェデレーション・チャンピオンシップ参戦選手だけに贈られるBASSワッペン3点をセットで1名の方へプレゼントいたします。

ご希望の方は、郵便番号・住所・氏名・年令・電話番号、そしてbasswaveを読んでの感想をご記入の上、メールにてcontact@basswave.jp までご応募ください。応募はお一人様1回限りとさせていただきます。ご応募の締め切りは2005年5月20日。厳正なる抽選のうえ、当選者はbasswaveにて発表させていただきます。

+PART 1:参戦直前の佐藤義和さんにインタビュー
+PART 2:本戦直前プラクティス
+PART 3:トーナメント初日
+PART 4:トーナメント2日め
+PART 5:トーナメント3日め
+PART 6:トーナメント最終日
+PART 7:最終話

Posted by DODGE at 2005年05月12日 12:30 in 短期集中レポート

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