2005年04月30日

Another road to the CLASSIC:PART 5

basswave短期集中レポート

バスマスタークラシックへの「もうひとつの道」
PART 5:トーナメント3日め

 CITGO BASSフェデレーション・チャンピオンシップは決勝初日を迎えた。大会は会場をパブリックレイクのキシミーチェーンからウォルト・ディズニーワールド内のプライベートレイク「ベイ・レイク」に移されて再スタートを切ったが、日本代表として今大会に臨んだ佐藤義和さんの姿はその決勝のステージにはなかった。予選で敗退した佐藤さんは、この日、観衆に混じって決勝初日のウエイインを観戦。決勝も闘いたかったというのが本音であろうが、「やれることはやった」と達成感を口にした。

 まずベイ・レイクについて少し解説しておこう。1960年代後半、ディズニーはこの湖に7万尾のバスの幼魚を放流。そして10年間は湖での釣りを禁止させ、バスが健康的に、そしてプレッシャーのない状態で成長するようマネージメントに務めた。現在までに釣り上げられたベイ・レイクのレコードは14Lb6oz。普段は、2-8Lbクラスが頻繁に釣れている。湖の面積は578エイカー(約2.3平方km)。茨城県牛久沼が3.49平方km、山梨県西湖が2.12平方kmだから、ベイ・レイクはかなり小規模なフィールドだとわかるだろう。またプライベート空間であるため、フィッシング・プレッシャーは非常に低い。

レイクは基本的にカバーに乏しく、言ってしまえば、ただの丸い池だ。キシミーチェーンのように水面にまでビッシリとベジテーションがあるわけでもなく、地形変化が釣果、そしてサイズアップのカギを握る 
 決勝初日の天候は晴天で穏やか。風が出たとしても帰って来れない距離でもなく、競技に没頭できる環境が備わっている。レイクは現在アフタースポーン状態で、バスのバイトはアグレッシブであるとはいいがたい。

 初日のハイライトはやはり、エド・コーエン(写真右)のリードだろう。レイクのど真ん中にあるブレイクのショルダーやハンプをジャッカル社のアラゴンで攻略。この日のビッグフィッシュとなる4Lb12ozを含む5尾で16Lbを持ち帰った。コーエンは魚探を駆使したことで、グッドスポットを探り出したという。
 2位に入ったジャイミー・フラリック(写真左)は、「トホと同じような典型的なフロリダのシャローレイクを想像していたら、全然違っていた。私のエリアはグラスがないし、ミズーリ州のレイクのようだ」とベイ・レイクのコンディションに驚かされた様子だった。「私は人生の中で、ノーマン社のDD22では2尾しか釣ったことがない。なぜだかわからないが、そのDD22を1つだけ今大会のために持参していた。1尾を除いて、今日釣ったバスはすべてこのディープダイバーで釣り上げた」と彼もディープレンジを攻略しているのを告白している。

 観客席から一般人と一緒に決勝のウエイインを見届けた佐藤さんは、「(予選では)やれることはやった」と語りながらも、「自分の実力の無さでこういう結果に終わって悔しい」と気持ちを率直に述べた。何10年とバスフィッシングを経験してきたが、今回が彼にとって初のアメリカ釣行となった。雑誌やビデオ、インターネットとあらゆるメディアを使ってレイク・トホの情報を集めてきたが、実際に釣ってみると「バスはバスだったよ(笑)」と安心した表情を見せた。「フロリダのベジテーションの下に隠れた本場のネイティブのフロリダバスだから、違った動きをするんじゃないのか!?」と勝手に想像していた部分もあったが、1度レイクに出てバイトを感じてみると、日本で培ったテクニックやアプローチで充分に対応できた。だからこそ「もう少し実力があったなら」と悔やんだのだった。

5カ国から集まったインターナショナル・フェデレーション・アングラーの中で唯一決勝進出を果たしたジンバブエのジェリー・ユースタは、この日は総合9位につけた。しかし総合は9位でもセントラル組では暫定1位であるため、最終日もこのまま逃げ切れば4度めのバスマスター・クラシック出場となる
 

+Bassmaster.com
+成績

+PART 1:参戦直前の佐藤義和さんにインタビュー
+PART 2:本戦直前プラクティス
+PART 3:トーナメント初日
+PART 4:トーナメント2日め
+PART 5:トーナメント3日め
+PART 6:トーナメント最終日
+PART 7:最終話

Posted by DODGE at 2005年04月30日 13:08 in 短期集中レポート

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