クローン増殖ザリガニ、駆除策まだ定まらず…池の水ぜんぶ抜けない 沖縄・那覇

 那覇市公園管理課は11日、特定外来生物のザリガニ「ミステリークレイフィッシュ」が県内で初めて確認された天久ちゅらまち公園の池で、ザリガニの駆除に向けて枯れたハスの撤去作業を行った。

 成体ではない小さな個体を含めミステリークレイフィッシュ10匹ほどが捕獲・採集された。条件付特定外来生物のアカミミガメも数匹捕まり、処分された。

 特定外来生物のザリガニが見つかったのは昨年8月。沖縄以外で過去に同じザリガニが見つかった北海道、愛媛県では単独個体が確認されただけ。天久ちゅらまち公園の池のように定着しているとみられる事例は国内で初めて。今後、池を埋めてしまうことも選択肢の一つだという。

 環境省沖縄奄美自然環境事務所の担当者は「池の水を抜くとザリガニが流れ出る恐れがあるので抜くわけにはいかない。駆除に向けた対応を検討中だが、決まっていない」と説明した。

 ミステリークレイフィッシュは単為生殖し1個体からでもクローン増殖する。生息が広がればカエル類など希少種を含む在来生物に影響を与えることから、生きたままの運搬や飼育は法律で禁じられている。

 那覇市は昨年10月30日から池の周りに囲いのネットを設置し、立ち入りを禁じている。市公園管理課は「専門家の意見を聞いて対処することになる。立ち入り禁止がいつまで続くかは見通せない」と話した。

(名城知二朗通信員)

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