生態系や農業への影響が懸念される特定外来生物の「ナガエツルノゲイトウ」について、千葉県はこのほど、県内全域の分布図を初めて公開しました。
計画的・効果的な防除に取り組むための資料として活用が期待されます。
県は2023年度から2024年度にかけて、県内全域で「ナガエツルノゲイトウ」が繁殖しているかどうかを調べ、その結果をもとに分布図を作成してホームページで公開を始めました。
分布図は、これまでに繁殖が確認されたすべての地点を示したもの、2024年度の調査結果を反映したもの、それに、今後、繁殖の範囲が広がる可能性のある地点を表した3種類です。
それによりますと、主に県北西部の手賀沼や印旛沼、君津地域の小糸川ですでに大規模な繁殖が確認されていて、今後、山武・長生地域の平野部の水路や千葉地域、君津地域の東京湾に流入する河川など、大規模な繁殖地域の近くや同じ河川の下流域などへの拡散が懸念されます。
県はこの分布図を関係機関と共有し、計画的、効果的な防除を行うとしています。
特定外来生物のナガエツルノゲイトウは南米原産の水生植物で、繁殖力が強く、県内では1990年に印旛沼で初めて確認された後、ここ数年で繁殖の範囲を急速に広げていて、水門を詰まらせたり、稲を倒したりする農業被害や生態系への影響が懸念されています。