宮崎・小林市で、ダム湖での繁殖が問題となっていた特定外来生物「ボタンウキクサ」の除去作業が行われている。宮崎県は約2億1600万円を投じ、専用の船で回収作業にあたるが、回収後は仮置き場で枯らす必要があり、どれくらいで枯れるのか、仮置き場のスペースは足りるのかなど不透明だという。
「想像以上の繁殖力」水質悪化も懸念
宮崎・小林市のダム湖「野尻湖」で、大量繁殖している“厄介もの”が地元住民を悩ませている。ダム湖は、約80haに渡って水草に覆われている。
テレビ宮崎・児玉泰一郎アナウンサー:
想像以上の繁殖力です。湖全体が水草に覆われていて、陸地と湖の区別が付かないくらいです。 根が長いですね。1m以上あります。
その正体は、特定外来生物に指定されている「ボタンウキクサ」。 もともとは、鑑賞用に輸入された南アフリカ原産の水草で、強い繁殖力が特徴だ。
野尻湖では2023年に生息が確認されてから爆発的に繁殖し、各方面で影響が出始めている。
近くの弁当店:
釣りをされる方が釣りができないと言って。弁当を買いに来られる方がいるので、できれば早く撤去していただけると私たちも助かる。
船が湖を往来できないため、ダムの管理にも支障をきたしているほか、水質の悪化も懸念されている。
児玉アナウンサー:
葉は枯れていますが、根は生き生きとしていますね。春になると繁殖が再開するそうです。
除去開始も…「量が多いの一言に尽きる」
こうした状況を受け、宮崎県はボタンウキクサの繁殖期を前に約2億1600万円をかけ、1月から除去作業を開始した。岐阜県から手配した専用の船で回収を進めている。
児玉アナウンサー:
作業が始まって約3時間経つんですが、除去しても風で水草が寄せられて、きりがない様子です。
さらに、厄介なのが回収した後だ。特定外来生物は、法律で移動させることが禁止されているため、そのまま処分場に持っていくことはできず、回収したボタンウキクサは仮置き場に運び、完全に枯らさなければならない。
ただ、どれくらいで枯れるのか、仮置き場のスペースは足りるのかなどは不透明で、宮崎県では状況を見ながら判断するという。
都城土木事務所・鏡園義幸さん:
(量が)多いという一言に尽きる。運搬に手間が掛かるのが大変。地道に(湖から)上げていくしか方法がない。専用の機械を用いても手間が掛かる状況。
ボタンウキクサの除去作業は、春先まで続くという。
(「イット!」1月20日放送より)