身近に共存していた! 外来動植物を紹介 シロツメクサ、ダンゴムシも実は… 兵庫・三田のひとはくで企画展

 海外からやってきた動植物を紹介する企画展「共存する小さな渡来者たち」が、県立人と自然の博物館(ひとはく、兵庫県三田市弥生が丘6)で開かれている。シロツメクサやダンゴムシなどなじみの深い多くの動植物が、実は海外から渡来してきたことを紹介。園児が集めた草花を水に浮かべた美しい写真作品も並ぶ。(黒田耕司)

■始まりは緩衝材だって知ってた?

 外来生物は農作物などに被害を及ぼす例もあるが、多くが身近な環境で共存していることを知ってもらおうと、同館の八木剛主任研究員(昆虫学)らが企画した。

 会場入り口では全長約160センチ、幅85センチ、高さ54センチの大きなダンゴムシの模型がお出迎え。やってきた時期ごとに、稲作が始まって植物の往来が増えた弥生時代以降を第1波、海外との貿易が盛んになった明治時代以降を第2派と分類し、写真パネルや標本、模型など80点を集めた。

 クローバーとしても知られ、目にする機会の多いシロツメクサ。江戸時代にオランダからガラスなどを輸入する際、緩衝材(詰め物)として利用されたのが始まりで、「白色の花の詰め物」が名前の由来という。

 触ると丸くなり、子どもに人気のダンゴムシ。中でもオカダンゴムシは家の周りや田畑でも見かける身近な存在だが、ヨーロッパ地中海沿岸が原産地で、日本での発見は明治以降という。

 ほかにも、モンシロチョウやナメクジ、ひっつきむしなどが渡来した時期や経緯について詳しく説明している。標本には虫眼鏡が取り付けられ、観察することもできる。

 また、県内の幼稚園・保育園児らが近くの公園や園庭で摘んだ植物を水に浮かべた作品「おはな ぷかぷか」の写真200点超を展示。全部で215種類の植物が含まれ、約半数は園芸用の品種。30%ほどは海外から来たもので、在来種は約15%だったという。

 八木主任研究員は「外来動植物のどれもが駆除しなければならない危険な存在ではない。日本に根付き、共存している生き物のルーツに思いをはせてほしい」と話している。

 5月26日まで。午前10時~午後5時。月曜休館。ひとはくTEL 079・559・2001

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