外来種アメリカハマグルマ駆除 奄美市、住用マングローブ林

 鹿児島県奄美大島で環境保全活動などに取り組むNPO法人ゆいむすび実行委員会(川村辰也理事長)は27日、奄美市住用町のマングローブ林で外来植物アメリカハマグルマの駆除を行った。会員や環境省の職員、市民ら19人が参加。約1時間の作業で45リットルのごみ袋17袋分を取り除いた。

 アメリカハマグルマはキク科の多年草で、黄色い花を咲かせる。南西諸島では緑化用などとして1970年代に導入されたが、繁殖力が強く在来の生態系に影響を与えており、国は特に緊急性の高い「緊急対策外来種」に指定している。

 作業前に奄美自然環境研究会の常田守会長と環境省自然保護官補佐の池上温人さんがアメリカハマグルマが奄美に繁殖した経緯や特徴などを説明。池田さんは「茎の節から根が出るためどの部分も残さず取り除き、燃やして処分することが重要」と呼び掛けた。

 参加者らはマングローブ林周辺に生えているアメリカハマグルマを手作業で丁寧に引き抜いた。在来種のキダチハマグルマと間違えないように注意しながらの作業となった。

 初めて外来種駆除活動に参加したという大島高校の生徒は「思った以上に根が深くて繁殖力の強さを感じた。生態系に影響を与える植物をなくして、元々の奄美の風景が残るよう守っていきたい」と話した。

 常田さんは「作業はとにかく時間をかけて地道にやっていく必要がある。島の子どもたちには奄美の植物を正しく認識して、生態系を守る意識を育んでほしい」と願った。

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