“光る熱帯魚” 違法飼育・販売の疑い 業者を逮捕 警視庁

 黄緑色に発光するよう遺伝子を組み換えられた熱帯魚の「ベタ」を未承認で飼育したとして、警視庁生活環境課は17日、東京都江戸川区西一之江3の熱帯魚販売業者、武田英彦(66)と、妻のタケダ・ソムポーン(56)=タイ国籍=の両容疑者をカルタヘナ法違反容疑で逮捕したと発表した。

 カルタヘナ法は生物多様性への悪影響を防ぐため、遺伝子組み換え生物などの取り扱いを規制している。研究室での実験など閉鎖された場所以外で扱う場合は国の承認が必要になる。

 2人の逮捕容疑は2023年6月、経営する江戸川区の熱帯魚店「Aqua Queen(アクアクイーン)」で、遺伝子を組み換えたベタ10匹を、国の承認を受けずに飼育したとしている。いずれも「間違いない」と容疑を認めているという。

 生活環境課によると、両容疑者は23年5月、タイから輸入した遺伝子組み換えのベタ9匹を国内の愛好家ら5人に約18万円で販売していた。ベタは人気の観賞魚で、通常の品種は1匹数千円で取引されるが、武田容疑者らは最高3万円ほどで売っていたとみられる。

 購入者らが美しさを競う「日本ベタコンテスト」に出品した際、主催者側が遺伝子組み換えに気づいたという。生活環境課は購入した5人についても、17日に同法違反容疑で書類送検した。このうち3人は「目も緑色で見たこともない姿だったので購入したが、違法とは知らなかった」などと供述し、容疑を否認しているという。【加藤昌平】

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