外来種の問題児マングース、だが野生では絶滅の危機に:ナショジオ動物図鑑

毒ヘビに向かって果敢に攻撃を仕かける種も、主にアフリカに生息
 マングースは主にアフリカで見られ、生息域はアフリカ大陸のほぼ全域に及ぶ。一部の種は南アジアやイベリア半島に生息する。ほとんどが陸生だが、中には半水生や樹上性の種もいる。

 体長約20センチのコビトマングースから、60センチ以上にもなるエジプトマングースまで大きさはさまざまだ。この流線形の哺乳類は、長い胴体と短い足、先端が細くなった鼻を持っている。毛の色は通常、茶褐色あるいは灰褐色で、胴にしま模様があったり、しっぽに環状の模様を持っている種が多い。

 マングースは穴の中に巣を作る。より好みをしない肉食動物で、齧歯(げっし)類や鳥類、爬虫類、カエル、虫、ミミズなどの小動物をエサとする。中には果実や木の実、種子なども食べる種類もいる。狩りの方法は独創的で、前足で抱えた鳥の卵を堅いものに向かって投げ付け、割って食べることが知られている。

 マングースの中には、コブラのような毒ヘビに向かって果敢に攻撃を仕かけることで知られる種がいる。特に有名なのは、ラドヤード・キップリングの「ジャングル・ブック」に登場する「リキ・ティキ・タビ」だろう。アラビアの寓話を基に書かれた短編に登場する架空のマングースだ。

 19世紀にはサトウキビ農園での齧歯類駆除のため、マングースはハワイや西インド諸島に持ち込まれた。しかしそれがあだとなり、現在では鳥類を中心に在来の動物を存亡の危機へと追いやっている。一方で野生のマングースも、生息地の消滅によって絶滅の危機にさらされている。

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