千葉県農林総合研究センターは、トマトなどのナス科作物に被害を与える恐れがある外来害虫「トマトキバガ」の成虫4匹が県内で初めて確認されたと発表した。関東地方でも初めてという。県内で被害は確認されていないが、センターは農家に注意を呼びかけている。
同センターによると、9月下旬、県内農家のトマト畑に同センターが設置した調査用わなに蛾(が)がかかり、農林水産省横浜植物防疫所で調査した結果、トマトキバガと判明。国内では2021年10月に熊本県で初確認され、計26道県で見つかっている。
トマトキバガは南米が原産で体長5~7ミリの微小な蛾。体長約8ミリまで成長する幼虫が葉や茎、果実などを食べるため、食害の痕跡が残る果実は出荷できなくなるという。ナスやトマトのほか、トウガラシやインゲン豆なども食害の恐れがあるという。
成虫は夜行性で日中は葉の間に隠れていることが多く、卵は葉の裏面などに産み付ける。同センターは対策に見つけ次第捕殺することや防虫ネットの設置、薬剤の散布を挙げ、被害を受けた果実などは速やかに埋却などの処分をする必要があるとしている。