「めっちゃぱりぱり」天然記念物を食べ生態系乱す“特定外来生物”駆除した赤いアイツを唐揚げに その味は

 ため池などの生態系を崩す厄介者、外来種のアメリカザリガニを使った料理の試食会が8日、宮城県大崎市で開かれました。参加者の中には初めて食べた人もいました。さて、その味は?

■からっと揚がったのは、ザリガニ

 油でからっと揚がったのはエビ…、ではなくザリガニです。

 大崎市の鹿島台公民館で、8日開かれたアメリカザリガニの試食会では、南郷高校の生徒が調理した素揚げやスープ、仙台の中華料理店が作った唐揚げや炒め物など7品が提供されました。

 試食会を開いたのはアメリカザリガニの駆除活動をしているNPO法人「シナイモツゴ郷の会」です。料理には、1週間ほど前に市内のため池で捕獲し旨味を出すため塩水で泥抜きをしたアメリカザリガニが使われました。

 地域住民や飲食店経営者などおよそ50人が参加し、料理の味を確かめました。

■「めっちゃぱりぱり」

参加した子ども: 「唐揚げおいしい。めっちゃぱりぱり」 「普通においしいから夜ごはんに出てもいいかな」

飲食店経営者: 「非常においしかった。癖もないし泥はきもしていて、安全安心で食べられるのが非常にいい」

調理した南郷高校生徒: 「美味しそうに食べていてすごくうれしかった。エビに近い」

 アメリカ原産の外来種アメリカザリガニは、在来種の小魚や水草などを食べ生態系に悪影響を及ぼすため、環境省が定める「条件付き特定外来生物」に指定され全国で駆除が進められています。

■2万匹以上を捕獲「シナイモツゴ郷の会」

  2014年から駆除に取り組む「シナイモツゴ郷の会」は去年は2万匹以上を捕獲し、飲食店などに無償で提供してきました。

NPO法人シナイモツゴ郷の会 高橋清孝理事長: 「新しいメニューが一般の方に認知されてきたというところがある。飲食店の方もみえて品質がいいからぜひ使わせてくれ、販売してくれという意見もあり、大変心強く思っている」

 会は今年6月下旬に環境省から販売許可を得ていて、早ければ1年後を目途に食材として販売を始め売り上げを駆除のための活動資金にしたいとしています。

初めて食べたという人もいたが、どの料理も概ね好評だったということです。参加した飲食店からは「ため池で取れたアメリカザリガニは、農薬にまみれていないので安心して提供できる」といった意見もありました。アメリカや中国などでは普通に食べられていて、近い将来、大崎市の特産品になるかもしれません。

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